(4日、秋季和歌山県高校野球大会準決勝 市和歌山3―1日高中津) 最速151キロを誇る市和歌山のエース、丹羽涼介(2年…

 (4日、秋季和歌山県高校野球大会準決勝 市和歌山3―1日高中津)

 最速151キロを誇る市和歌山のエース、丹羽涼介(2年)は宣言した。

 「世代ナンバーワン投手になりたい」

 今春の選抜大会1回戦では、のちに優勝する横浜に2―4で敗れた。丹羽は2番手で登板し、6回3分の2を1失点に抑えて注目されるようになった。

 ただ、夏の和歌山大会は準々決勝でライバルの智弁和歌山と対戦し、相手エースの渡辺颯人(3年)に投げ負けた。

 しかし、ただ負けたわけではない。得た物があった。1学年上の投球術を見て、「(力を)抜いたり入れたりと、楽に打者を打ちとるところをまねしようと思った」。

 この日の試合では、それを実践してみせた。計134球、9回1失点で完投。直球は最速148キロを計測し、さらに九回まで140キロ台をキープした。「メリハリをしっかりして、体力を維持させた」。キレ味抜群のスライダーやフォークを低めに落とし、13三振を奪った。

 意識するのは、同世代のライバルたちだ。

 横浜の織田翔希(2年)、沖縄尚学の末吉良丞(2年)といった投手たちが甲子園で活躍する姿をテレビで見ていた。

 「甲子園で堂々とした投球ができていて、自分も負けてられない」

 チームを2年連続15回目の秋季近畿大会出場に導いたが、4四球と粗さもあった。

 「完封を当たり前にできる投手になりたい」。その目標を達成できれば、おのずと「世代ナンバーワン」の称号はついてくる。(室田賢)