橋本は過去3戦全勝の相手にリベンジを許した(C)Getty Images 卓球のWTTチャイナスマッシュは中国・北京に世…

橋本は過去3戦全勝の相手にリベンジを許した(C)Getty Images

 卓球のWTTチャイナスマッシュは中国・北京に世界のトップ選手が集結し、男女シングルス、ダブルスなど各種目で連日、熱戦が繰り広げられている。10月2日、女子シングルス3回戦が行われ、橋本帆乃香(世界ランク11位)と中国の王芸迪(同5位)が対戦。実力者同士が激突した一戦で、橋本がストレート負けを喫した。

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 これまで多くの中国選手から白星を挙げてきた橋本は、王芸迪に対しても過去3戦を戦い全勝。中国が舞台となる今大会、1、2回戦でも強さを発揮し勝ち上がっており、現地メディアの評価などからも、橋本は日本選手の中で最も警戒されている存在となっていた。

 その橋本との一戦に、並々ならぬ意欲とともに臨んだのが王芸迪だ。全敗という不名誉な記録を止めるべく、自国大会で相対した難敵を序盤から圧倒。橋本が得意のカットで返すボールに、フォアドライブや正確なツッツキで対応。フォアでの強打も積極的に打ち込み、終始、橋本に主導権を握らせず試合をリードした。

 11-8、11-3と王芸迪が2ゲーム連取して迎えた第3ゲーム。一進一退の展開となる中、9-10から王芸迪が3連続ポイントを奪い、12-10で決着。試合を通してほとんど表情を崩さなかった王芸迪が、勝利の瞬間は両手を突き上げ、会場からの大歓声にも応えていた。

 この結果は当然の様に中国国内でも大きく報じられている。ポータルサイト『捜狐』では、「王芸迪が非常に集中していた」とプレーを振り返っており、「とにかく相手を倒そうという意気込みがはっきりと感じられた」と評している。

 さらに、同サイトでは、「第2ゲームでは完全に本来の力を解き放ち、これまでの消極的で硬いプレーから一変。第3ゲームではやや波があったものの、要所でしっかり押さえ込んでいた」と分析。また、王芸迪がこの試合に臨むにあたり、橋本から勝利を記録している孫穎莎と王曼昱の戦い方を参考にしたと説明するとともに、同サイトは、「宿敵・橋本を破ったことは、彼女にとって大きな自信となるに違いない」と勝者を称えている。

 まさに王芸迪の橋本戦の勝利は、努力と執念が実った形となった。また、中国卓球界としても雪辱を果たした一戦だったと言えるだろう。今後も、中国、日本の両国トップ選手によるせめぎ合いは、国際舞台での大きな見どころになっていくはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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