◇米国女子下部◇エプソンツアーチャンピオンシップ 初日(2日)◇インディアンウェルズ ゴルフリゾート(カリフォルニア州…

ルーキーシーズンの最終戦で語った原英莉花の現在地とは

◇米国女子下部◇エプソンツアーチャンピオンシップ 初日(2日)◇インディアンウェルズ ゴルフリゾート(カリフォルニア州)◇6642 yd(パー72)

ルーキーとして迎えた3月の開幕戦が「昔に感じる」と原英莉花は振り返る。米下部エプソンツアーに主戦場を移し、シーズン最終戦を迎えたいま、ゴルフとの向き合い方に大きな変化も生まれた。かねて「戦えなくなったらゴルフをやめる」と覚悟を示してきた、プロアスリートとして持つ強い信念。それが、昨シーズンのモチベーションを下げる要因になっていたことに改めて気づかされた。

いよいよシーズン最終戦が始まりました

2023年5月、長らく抱えていた腰痛を解消するため手術に踏み切った。約3カ月で復帰したものの、翌24年シーズンも「思うようにトレーニングができなかった」という。成長を求める一方で、満足に体づくりに励めないもどかしい日々。「筋力が全てではないけど、体のどこを使って何が変わっているのかを理解したうえでショットをしたい。腰のケガでトレーニングが制限されていた時は、自分の中ではもう“アスリートじゃない”って。ただゴルフをしているだけというのがすごく嫌だった」と振り返る。

「出場するからには」と無理に高めてきた気持ちと葛藤は、長くあたため続けてきた米国挑戦での日々によって吹き飛んだ。腰痛が改善した今季は「トレーニングもしたい時にできた。成長が見えてきて、次はこれ、その次はこれを…と(課題が)見えてくるのが楽しい。そこは成績がどうであっても」と話す。アメリカでは基本的に24時間営業のフィットネスジムを利用。「この2週間は2、3回しか休んでいない。がっつり全身を鍛えるわけではなく、部分ごとに分けてちょくちょくという感じですけど、ほぼ毎日ジムには行っていました」

昨季はネガティブな思考で過ごす時間が多かった

「自分はこんなものか」と狭くしていた視野も取り払われ、ポジティブな思考で臨めている。「飛距離の部分や、アプローチのバリエーションでも通用する部分とまだもうちょっとだなというところもある。日本でやるのとは違う目標みたいなのが新しく生まれてきて、その瞬間、瞬間が楽しかった。下部だけど、私の中では大きな一歩。日本でももちろんプレーしたかったですけど、こっちに来るって決めてよかった」と話した。

できることの幅が広がれば楽しさも増してくる

ちなみに、渡米してから日本ツアーの様子はSNSで把握しているという。「衝撃的」と話すのは、今季1勝を挙げた後に離脱を発表した小祝さくらのニュース。「かなり良い成績のところで棄権していたから“大丈夫かな”と思っていたら、そのあと試合に出ていなくて」。自身も故障を乗り越えてきたからこそ、同世代で戦う仲間の苦境に心が痛む。「まずはリハビリを頑張ってほしいです」とエールを送った。(カリフォルニア州インディアンウェルズ/石井操)