積極的に選手の背中を井上監督も押したが、目指すAクラス入りは果たせなかった(C)産経新聞社 有終の美を飾れなかったが、全…

積極的に選手の背中を井上監督も押したが、目指すAクラス入りは果たせなかった(C)産経新聞社

 有終の美を飾れなかったが、全てが悪い試合ではなかった。

 中日は10月1日、巨人とのシーズン最終戦で2-5と敗戦。敵地・東京ドームで白星締めとはならず、2025年シーズンを63勝78敗2分けの4位で終えた。

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 最終戦の先発は2年目右腕・草加勝が務めた。ドラフト1位で入団もルーキーイヤーは右肘のトミー・ジョン手術を受けた関係で実戦未登板。

 事実上今季が1年目の状況で、最終戦のスターターに抜擢された。良い形でデビュー戦を飾りたいところだったが、初回からまさかの5失点。2アウトまで漕ぎ着けるも、満塁から五連打を浴びてしまう。

 それでも140キロ台後半の速球を軸に、スライダー、スローカーブ、亜細亜大出身者特有の「亜大ツーシーム」を織り交ぜて、4回途中まで5奪三振をマーク。速球のスピードがあと2〜3キロ上がれば一軍の先発として十分にやれそうな内容で、来季以降の飛躍を予感させた。

 そのほかの投手陣も現役ドラフト組の伊藤茉央はピンチを抑え、3回無失点5奪三振のナッシュ・ウォルターズ、1回無失点2奪三振の近藤廉はそれぞれ持ち味を発揮。彼らは決して主力級ではないが、選手層の底上げに貢献してくれればと思う。

 打線は巨人投手陣に抑え込まれたが、最後の最後に福永裕基が魅せてくれた。9回2アウト、走者を1人置いた状態で打席に立つと、宮原駿介から左中間スタンドに今季1号2ランを放ったのだ。

 本来なら今季は福永がチームの軸となって戦うはずだった。背番号が68から7に変わり、二塁手のポジション定着に挑戦。ただ、二度の大きな怪我でシーズンをほとんど棒に振り、9月5日の復帰後は長打が1本も出ない状況が続いた。

 この日も途中出場で、状態の悪さを感じさせたが、シーズンの土壇場に本塁打を記録したことは今後のドラゴンズに希望を繋いだ。この本塁打があったからと、来年の今頃に言えると良い。

タイトル争いもほぼ結末を迎えた。松山晋也は単独でのセーブ王はならなかったものの、昨季までの同僚であるライデル・マルティネス(巨人)とタイトルを分け合った。岡林勇希は4試合連続で3安打を放つ固め打ちで、自己最多のシーズン168安打に到達。最多安打のタイトルをほぼ手中に収めた。

 松山と岡林は紛れもなく今のドラゴンズの顔的存在。来季以降もチームをけん引してもらいたい。

 井上一樹新監督のもと「どらポジ」を掲げて始まった2025年シーズンもこれで終わり。4年ぶりの最下位脱出は良かったが、クライマックスシリーズ出場は今季も逃した。来季は球団創設90周年で、本拠地・バンテリンドームナゴヤは大きく様変わりする。記念すべきシーズンの躍進を願い、本稿を締めたい。

[文:尾張はじめ]

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