「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月30日~11月5日/フランス・パリ/室内ハードコート)の大会6日目、準決勝で第9シードのジョン・イズナー(アメリカ)とフィリップ・クライノビッチ(セルビア)が対戦。6-4、6(2)-7、7-6(5)で…

「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月30日~11月5日/フランス・パリ/室内ハードコート)の大会6日目、準決勝で第9シードのジョン・イズナー(アメリカ)とフィリップ・クライノビッチ(セルビア)が対戦。6-4、6(2)-7、7-6(5)で接戦をクライノビッチが制した。試合時間は2時間28分。

イズナーは3回戦でグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を、準々決勝でフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)を破っての勝ち上がり。一方のクライノビッチは予選から勝ち上がっており、準々決勝は膝の負傷により棄権したナダルと対戦予定だった。

第1セットはイズナーのサービスからゲームがスタート。第5ゲームにクライノビッチがブレークし、そのリードをクライノビッチが必死に守る形で終わる。第1セット、クライノビッチのファーストサーブからのポイント獲得率は82%と非常に高かった。

第2セットも均衡した戦いが続く。アクシデントが起きたのは第9ゲーム。40-30でクライノビッチがブレークに向けてあと2ポイントとチャンスをつかみかけたとき、観客に急病人が出たようで試合が一時中断。両者ともに集中力を保つのは大変だったようだが、試合再開後はイズナーが落ち着いてエースを決め、アクシデントをものともせずキープした。そして試合はまたしても膠着状態になり、決着はタイブレークへ。クライノビッチも素晴らしいサーブでイズナーを攻めるが、落ち着いたプレーのイズナーがリード。最後は気迫のエースで第2セットを7-6(2)で取った。

勝負の決まる第3セット。ここもお互いに譲らずキープが続く。イズナーが果敢に前に出て攻めようとするも、クライノビッチが落ち着いて横を抜くなど、一進一退の攻防が続いた。第9ゲーム、イズナーがブレークポイントを得るが、クライノビッチも負けずに追い上げ、デュースに持ち込みキープした。続く第10ゲーム、イズナーはブレークできなかった悔しさを一心に込めたような見事なサーブで0ゲームでキープし、ファイナルセットもタイブレークへと突入した。

ファイナルセットのタイブレーク。イズナーが3-0とリードすると、すかさずクライノビッチも鮮やかなサーブで追い上げる。最後の最後までどちらが勝ってもおかしくない展開に。イズナーはネット際に出て攻め込むが、4-2とリードした際にネットプレーでミスをするなどしてクライノビッチが4-5と逆転する。イズナーのその上背208cmからの鋭いサーブを必死にリターンするクライノビッチ。最後はクライノビッチのリターンにイズナーが追いつけず、7-6(5)でクライノビッチが勝利した。

最後にリターンが決まった瞬間、クライノビッチはコートに倒れ込み、主審との握手の後はコートにキスをするなど、前年の準優勝者に勝利したことの驚きと喜びに満ちあふれていた。

勝利したクライノビッチは、この後行われるジャック・ソック(アメリカ)とジュリアン・ベネトーの勝者と決勝で相まみえる。

(テニスデイリー編集部)

※写真は喜びに目を潤ませるクライノビッチ

(Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)