ジャパンラグビー リーグワン ライジング20252025年9月27日(土) 三…
ジャパンラグビー リーグワン ライジング2025
2025年9月27日(土) 三菱重工相模原グラウンド
三菱重工相模原ダイナボアーズ 38-21 リコーブラックラムズ東京
リーグワンライジング プレーヤーエピソード[相模原DB]

三菱重工相模原ダイナボアーズの坂本侑翼選手(写真は2025年1月18日、対横浜キヤノンイーグルス戦)
「とにかくタックルし続ける」。稀代のタックラー、相模原DBの坂本侑翼が8カ月ぶりに復帰
巨体も一発で倒す激しいタックルでラグビーファンを魅了する三菱重工相模原ダイナボアーズの坂本侑翼が、約8カ月ぶりに公式試合のピッチに戻ってきた。
9月27日に開催された『ジャパンラグビー リーグワン ライジング2025』のリコーブラックラムズ東京戦、前半の40分間をプレーした坂本侑翼は、「久しぶりの試合なので、トレーナーとも『ゆっくりいこう』と話しました。最初から飛ばし過ぎず、まずは試合勘を戻すことが目標でした。チームとしてもやってきたことをかなり出せました。疲れはありますが、いい感触でした」と振り返った。
坂本侑翼は2022-23シーズンにリーグワンデビュー。「がむしゃらにやっていただけ」というそのシーズン、タックルの成功数はハリー・ホッキングス(東京サントリーサンゴリアス)に次ぐリーグ2位を記録した。華々しい活躍を見せ、三菱重工相模原ダイナボアーズ初となるトップディビジョンの残留に大きく貢献。オフにはイギリスの名門クラブ、バーバリアンズに選出され、サモア代表との試合も経験した。
2023-24シーズンは、足首の治療で5試合を欠場した。結果、タックル数を伸ばすことはできず、日本代表スコッド入りも叶わなかった。それでも、粘り強い守備からの攻撃を信条とするチームの主力メンバーとして着実に力をつけた。
そこで見つけた課題もあった。復帰戦となった第10節の東芝ブレイブルーパス東京戦では、脳振盪の疑いによって開始10分で交替。ボールキャリアーの進行方向に頭を突っ込んでタックルした際の“逆ヘッド”が原因だった。
「タックルでどちらの肩を当てるかは相手の状況によりますが、たまに体が反射的に動いて、得意な右肩を出してしまうことがあります。当たるのが好きなので、その良さを消さずに、逆ヘッドにならないように当たっていこうと、コーチともよく話し合いながら修正に取り組んでいます。特にタックルスキルの練習を細かくやってきました。体が前のめりになり過ぎてしまうこともありますが、徐々に身に付いてきていると思います」
2024-25シーズンのプレータイムは約30分に限られた。「逆ヘッドではなかったのですが、脳振盪を2回起こして、そのシーズンはラグビーをやらないようにしようという話になり、リハビリをしていました」。
「スタンドから試合を観ていて、もし僕が出ていたら『もしかしたらこうできたかもしれないな』という悔しさも少しありました。チームのみんなが頑張って戦っていることも強く感じました」
176cm95kg。フランカーとしては小柄だが、気持ちの強さとタックルに懸ける思いは格別だ。社員選手として5年目。週1日出社し、それ以外をラグビーに振り切っていると明かす。
「ラグビーができるのはいまのうちなので、全力でやりたい。特にタックルの回数は僕の強みでもあるので、とにかくタックルし続けて相手の勢いを削いで、チームのアタックにつなげられればと思っています。けがを恐れてタックルをやめるようなことはしません。開幕からレギュラーで出場し、チームの勝利につながるパフォーマンスを出せる選手になりたいです」
2027年の日本一を目指すチームは、今季のプレーオフトーナメント入りを視野に入れている。その達成に欠かせないピースが、再起(ライジング)を誓う坂本侑翼その人である。
(宮本隆介)
