ジャパンラグビー リーグワン ライジング20252025年9月27日(土) 釜…
ジャパンラグビー リーグワン ライジング2025
2025年9月27日(土) 釜石鵜住居復興スタジアム
日本製鉄釜石シーウェイブス 10-66 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
リーグワンライジング プレーヤーエピソード[釜石SW]

日本製鉄釜石シーウェイブスの鈴木雄海選手(提供:日本製鉄釜石シーウェイブス)
燃え盛るラグビーへの情熱、ファーストキャップへの熱望。2年目のロックに見られる変化
7月中旬、日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)は若手の強化を目的としたトレーニングを、メンバー全員での始動に先んじてスタートさせた。この若手練習をとおして、コーチ陣に大きくアピールした選手の一人が鈴木雄海だ。
「運動能力とポテンシャルが高く、ラインアウトも武器。まだまだ課題はあるが、若くて先が楽しみな選手」(トウタイ・ケフ ヘッドコーチ)
「『ライジング』を与えられたチャンスと捉えて、練習に一層の熱を込めて取り組む姿勢が見て取れる」(坂下功正クラブ理事/総監督)
「トレーニングの開始時点で昨季より良くなっている。フォワードの選手がなかなか持ち併せていないスピードを備えた選手」(オツコロ カトニ アシスタントコーチ)
加えて、山口大輔ヘッドアスレティックパフォーマンスコーチは「印象だけでなく、しっかりとトレーニングの数字としても高い数値が出ている」とデータを根拠として鈴木を評価。どん欲に取り組む姿勢、そしてその数字にも彼の変化は如実に表れている。
加入2年目。23歳のロックにとって、昨季はメンバー入りすることができず、悔しさが残るシーズンとなった。「昨季も、今季のトレーニングが始まってからも、自分に何が足りないのかを常に考えながら取り組んできました」と一貫した姿勢でラグビーと向き合い続けてきた鈴木にとって、この『ジャパンラグビー リーグワン ライジング2025』は大きなモチベーションであり、そこで何を見せられるかを開催発表直後からイメージしてきたという。
「開催されると知った瞬間、『これはチャンスだ』と感じましたし、そこでチームに何をもたらせるかを証明できれば釜石SWでのファーストキャップにつながると信じています。そこに一つの照準を絞って、トレーニングに取り組んできました」
自身はコーチ陣の期待に対し、「正直、自分が周りにどう映っているかは分かっていませんし、自分では取り組む姿勢なども変わっていないと思います」というものの、コーチ陣がこれだけ口をそろえてポジティブな評価をする、あるいは期待感を示すということは、知らず知らずのうちに燃え盛るラグビーへの情熱が昨季以上に表出しているのだろう。
釜石SWは今季のプレシーズンマッチで静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)戦、そしてジャパンラグビー リーグワン ライジング2025第1週のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)戦の2試合を戦った。いずれの試合でもスタメンで出場し、ハーフタイムに退いた鈴木は、昨季のプレーオフトーナメントに出場した両チームと対戦し、「圧倒的にフィジカルの差があった。勝負する以前の問題というか。まずは強い体がないとそこからの技術も追いついてこないと感じた」と振り返る。186cm、100kgの体格は、ロックというポジションを考慮すれば必ずしも大きいわけではない。そんな鈴木自身が目指すのは「ワークレートでは誰にも負けないロック」。自身の課題にも挙げたフィジカルの向上に加え、武器とするスピードやセットピースの質をさらに向上させ、ハードワークで魅せるロックへの飛躍を誓う。
昨季は西林勇登、松山青、髙橋璃玖といういずれもルーキーのフロントロー3人がリーグ後半に大きな存在感を示した。同級生の彼らに続く、今季のヤングヒーロー候補。今季は口ひげを生やし、甘いマスクに大人の色気も加わった印象の鈴木は、『リーグワンライジング』という舞台でチャンスをモノにし、リーグ戦でのファーストキャップをつかみ取る。
(髙橋拓磨)
