落合監督は「ここにいる選手たちがドラゴンズの未来です」とファンに呼びかけた(C)産経新聞社 ドラゴンズにとって「久しぶり…

落合監督は「ここにいる選手たちがドラゴンズの未来です」とファンに呼びかけた(C)産経新聞社

 ドラゴンズにとって「久しぶり」の歓喜となった。

 9月28日、2軍のウエスタン・リーグ最終戦が行われ、中日はソフトバンクに2-1で勝利。「勝てば中日の優勝、引き分け以下ならソフトバンクの優勝」という大一番で見事に勝ちきり、リーグ制覇を成し遂げた。

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 中日のウ・リーグ優勝は2011年以来、14年ぶり。1軍のリーグ優勝も同年以来である。

 この優勝は困難なミッションだった。

 26日からの首位・ソフトバンク3連戦、逆転優勝の条件は「3連戦全て勝利」のみ。一つの引き分け、さらには勝率の関係で悪天候等による中止も許されなかった。

 第1戦は三浦瑞樹の熱投と土田龍空の決勝打で5-2と勝利。続く第2戦は逆転に次ぐ逆転の展開の中、8回にまたも土田が決勝打を放ち、9-6で連勝を決めた。

 迎えた最終戦、中日は2回に尾田剛樹が満塁から適時打を放ち2点を先制。投げては先発・松木平優太が指を痛めながらも5回無失点の好投。その後は大ベテラン・涌井秀章や育成の森山暁生、勝野昌慶を継投で使いながら、相手の反撃を1点に抑える。

 最後は3連投の橋本侑樹が代打・石塚綜一郎を見逃し三振に抑え、ゲームセット。本拠地・ナゴヤ球場がドラゴンズナイン、ファンの喜びでいっぱいとなった。

 試合終了後、落合英二2軍監督がファンの前で挨拶。選手への称賛、10万人を超える観客動員への感謝を語る中、締めに持ち出したのはこんな話だった。

「誰が監督をしても球団主導の組織となり、ドラゴンズの育成システムを確立しなければ、未来はないと思っています。ここにいる選手たちがドラゴンズの未来です。未来を信じてこれからも見守ってください」

 中日ドラゴンズという球団は、時の政権によりファームの育成方針が変わっていた。かつては「そういうもの」だったかもしれないが、近年は多くの球団がデータサイエンス等を積極的に活用。中日はやや後発的な立ち位置となっていた。それを改善させるべく、落合2軍監督と球団フロントが立ち上がり、システム構築を始めた1年目にいきなり優勝を果たしたのだ。

 思えば、落合2軍監督は前政権でヘッドコーチを務めた経緯もあり、成績低迷の責任をとって昨オフに一度退団することになっていた。それを井上一樹監督が引き止めて、今のポストに収まったのだった。あのまま退団していたら、今回の歓喜は訪れなかっただろう。

 10月4日のファーム日本選手権はイースタン・リーグ覇者の巨人と戦う。来年から3地区制が予定されるファームリーグにおいて、今年の頂上決戦は大きな意味合いを持つだろう。ぜひ中日には勝って、現行制度における“最後の胴上げ”を見せてもらいたいものだ。

[文:尾張はじめ]

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