【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆血統で振り返るスプリンターズS【Pick Up】ウインカ…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返るスプリンターズS
【Pick Up】ウインカーネリアン:1着
父スクリーンヒーローは、モーリス、ゴールドアクター、ウインマリリンなどの父。自身がジャパンCの勝ち馬だったように、決して短距離向きの種牡馬ではありません。
母コスモクリスタルは現役時代に芝1200mで4勝。その父マイネルラヴは1998年のスプリンターズSを制覇した名馬で、2代母の父カドージェネルーはイギリスでジュライC(G1・芝6ハロン)とスプリントチャンピオンシップ(G1・芝5ハロン)を制覇したスプリンターでした。
ウインカーネリアンは3歳春に皐月賞で4着となっており、この当時は陣営もスプリンターとは考えていなかったはずです。距離を詰めて使うごとにパフォーマンスが上がり、5歳から6歳にかけて芝1600mの関屋記念と東京新聞杯を勝ちました。そして、8歳秋にしてスプリンターズSでGI初制覇を成し遂げました。年齢を重ねるごとに母方のスプリンターの血が強く主張するようになったのだと思います。
母方にマイネルラヴを持つスクリーンヒーロー産駒は走っており、ウインカーネリアンの他にマイネルグリット(小倉2歳S)、マイネルウィルトス(アルゼンチン共和国杯-2着、目黒記念-2着)、レオンドーロ、ウインアキレウス、ウインアイオライト(いずれも3勝クラス)などコンスタントに活躍馬が出ています。連対率25.9%、1走あたりの賞金額417万円は、スクリーンヒーロー産駒全体の15.6%、188万円を大きく上回っており、ニックスといっていいでしょう。
◆血統で振り返るシリウスS
【Pick Up】ホウオウルーレット:1着
東京大賞典を4連覇し、帝王賞も制覇したオメガパフューム(父スウェプトオーヴァーボード)の半弟。父ロージズインメイはドバイワールドC(首G1・ダ2000m)、ホイットニーH(米G1・ダ9ハロン)の勝ち馬で、種牡馬としてはドリームバレンチノ(JBCスプリント)、コスモオオゾラ(弥生賞)、サミットストーン(浦和記念)などコンスタントに重賞勝ち馬を出しています。ロージズインメイ産駒はJRAで芝144勝、ダート258勝ですからパワー型の種牡馬です。
2頭目の重賞勝ち馬を送り出した母オメガフレグランスは「ゴールドアリュール×リアルシャダイ」という組み合わせ。母方にリアルシャダイを持つゴールドアリュール産駒は、コパノリッキー(JRA賞最優秀ダートホース)、サンライズノヴァ(南部杯)、アイアンテーラー(クイーン賞)、ランウェイワルツ(兵庫CS-2着)などが出ております。繁殖牝馬として成功した要因のひとつはこの配合構成ではないかと思います。