フルトンには精神面での充実が見えた(C)Getty Images “モンスター”との対戦以降の心境が伝えられている。 1…

フルトンには精神面での充実が見えた(C)Getty Images
“モンスター”との対戦以降の心境が伝えられている。
10月25日に米ラスベガスでWBCスーパーフェザー級タイトルに挑むスティーブン・フルトン(米国)が、対戦相手である、王者オシャキー・フォスター(米国)とともに会見の場に立ち、試合への意気込みを語った。9月24日に行われたオンライン会見でフルトンはタイトルマッチに向けたコメントともに、2023年7月の対井上尚弥戦にも言及。米誌『The Ring』が公式サイト上で、フルトンの語った言葉を紹介している。
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当時、WBC・WBOスーパーバンタム級のタイトルを保持していたフルトンは、王者として井上の挑戦を受けて立った。しかし、日本人ファイターの圧力に屈し、結果は8ラウンドKO負け。キャリア初黒星が記録されている。
王座からも陥落し、深い傷跡として刻まれても不思議ではない敗戦の記憶。だがフルトンは今回の会見において、2年前の結果について、以下の様にポジティブな言葉を並べた。
「精神面では、失ったもの以上に得たものが大きい。そのおかげで、自分ではより良い戦いができるようになったと思う。違う心構えで試合に臨めるようになっており、あの敗北を経験したことが僕にとって最高の出来事だった」
さらに、井上戦に敗れたことでの変化として他にも、「今は、コントロールできないことで腹を立てることはない。リングの中でも外でも、対戦相手や人々の動きが見通せるようになった」などと打ち明けている。
他にも、現フェザー級王者からは自信に満ちた強い意欲が発せられている。
「自分の振る舞いをどうコントロールするかも分かった。無駄なエネルギーを使わず、気にしないことができるようになった。精神面で大きく成長できたし、精神状態が完璧なら、試合も完璧にできる。だからあの敗北から得たものは多く、失ったものはないと言える」
フルトンは井上に敗れた後、フェザー級転向を果し、2024年9月に2階級制覇の偉業を成し遂げている。世界屈指のボクサーとの対戦を経て、心身ともに成長を遂げたと断言する現在の状態を維持できれば、およそ1か月後、3階級目での王座戴冠も夢ではないだろう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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