<令和7年度秋季静岡県大会:浜松日体6―2御殿場西>◇27日◇準々決勝◇草薙球場 この秋の静岡県大会のベスト8の顔触れは…
<令和7年度秋季静岡県大会:浜松日体6―2御殿場西>◇27日◇準々決勝◇草薙球場
この秋の静岡県大会のベスト8の顔触れは、西部勢が5校、東部勢が3校で中部勢はなしということになった。最も有力校が多いとされている中部勢がベスト8に1校もいないというのは32年ぶりのことだ。
西部勢と東部勢の対決となった試合。浜松日体は県大会初戦となった2回戦で、飛龍に完封勝ちしている。そして常葉大橘との試合ではタイブレークの末に競り勝ってのベスト8進出である。御殿場西も、県大会の初戦では静岡商に快勝して、3回戦では清水桜が丘にタイブレークでの勝利となっている。
3回戦、浜松日体は常葉大橘に4対3でサヨナラ勝ち、御殿場西は清水桜が丘に延長タイブレークの末に4対3で、接戦を制して進出してきた同士の対戦となった。秋の新チームは、試合を重ねていきながらチームも著しく成長していくケースが多い。それだけに、接戦を制していくと自信にもなっていくであろう。
浜松日体は、平日の練習は学校の他部との併用のグラウンドで3時間程度。19時には学校として完全下校が義務付けられているので、練習時間も限られている。選手たちも、中学時代に硬式のクラブチームなどで名を挙げていた選手はいないどころか、硬式経験者もおらず、全員が中学時代は地元の中学野球部で部活動として軟式野球に取り組んできたという選手たちである。
だから、高校に入って初めて硬式球に触れるという選手ばかりだ。そこから一生懸命に練習を積み、県でベスト8、ベスト4を争えるところまで来ているのである。そうした取り組みは、高く評価されていいであろう。しかも、学校としても大学受験での進学に重点を置いており、野球部であっても、優遇されるということはない。そうした中での頑張りである。
初回に2点を失った浜松日体。先発の河村 怜勇投手(2年)が連打され、失策などもあっての2失点だった。しかし、2回にはしっかりと修正してその裏、四死球とバントで一死二、三塁として、投ゴロ野選で1点を返す。さらに1番の鈴木 僚真選手(2年)以下、3連打。これで、この回逆転し、4点を奪ってビッグイニングとして試合の主導権も浜松日体が握っていくこととなった。
3回にも5番に入っている河村投手の二塁打から、バントと7番宮﨑 智也選手(1年)の右前打でもう1点追加。そして、このリードを河村投手が4回まで守り、5回からは三塁手の鈴木 僚真投手(2年)が、飄々と投げて5イニングを0に抑えた。鈴木投手は決して気負うことなく、少し力を抜いたような感じでスイスイと投げていく。相手打線もリードされていると焦ってしまい、打たされてしまう。結局、5イニングで被安打2、与四球1という内容だった。浜松日体としては、勝ちパターンの投手リレーでもある。
浜松日体の杉田享監督は、「目標としている東海大会出場には、ベスト4ではダメなんですよね。あと一つ勝たなくちゃいけません。チームとしては、まだまだ成長途中というか、これからなんですけれども。選手はみんな思い切って伸び伸びやってくれています」と、今のチームの雰囲気がとてもよさそうだということを感じさせてくれる発言だった。