日米女子ツアーで通算24勝(国内15勝、米9勝)の宮里藍が主宰する女子ジュニア大会「宮里藍インビテーショナル Supp…
日米女子ツアーで通算24勝(国内15勝、米9勝)の宮里藍が主宰する女子ジュニア大会「宮里藍インビテーショナル Supported by SUNTORY」が27日、栃木県のサンヒルズCCで開幕した。28日(日)までの2日間競技。上位5人には来年度の国内ツアー「宮里藍 サントリーレディス」の主催者推薦選考会の出場権が与えられる。
開催6回目で中高生36人が出場。開幕前日の26日からは宮里のキャリアを支えた、ピア・ニールソンとリン・マリオットが提唱したメンタル術「ビジョン54」をもとにしたレッスン会も実施。ことしは親交のある2012年ロンドン五輪バドミントン女子ダブルス銀メダリストの藤井瑞希さんを招いてトークセッションを実施した。
この日は選手のプレー中に保護者向けの講習会を開き、アスリートの子どもを持つ親御さんに対して、あるべき心構えを紹介。「コミュニケーションをとることによって、本人から出てくる答えを大切にするのがビジョン54の考え方」と、互いの関わり方が若年層に影響を及ぼす可能性があると論じた。
自身がジュニアゴルファーだった頃と比べて、「今は答えを探すためにはネット検索も、ChatGPT(AIチャットサービス)もある。携帯電話に答えを求めたり、あるいは親御さんに聞いて終わるパターンも多いと思います」と変化を指摘。情報化の加速は学生選手にも恩恵をもたらす反面、「答えを先に提示することを積み重ねた場合、選手は指示待ちをするようになる。自分で考える力がプレー中に生まれず、対応力も落ちてしまう」と危惧した。
勝負を左右する場面では、それぞれのシチュエーションに応じた適切なアイデアと実行力が問われる。「ゴルフは状況が目まぐるしく変わるスポーツ。自分で考えて行動することはプロになっても、そうでなくても(成長の)土台として重要になる」。“自分で考えること”を養うカギになるのが、親子あるいは指導者と選手の会話の質。「『あなたはどうしたいの?』『どうしたら現状を打破できると思う?』というような、選手本人に考えさせるような質問と、それを投げかけるタイミングが重要」と説いた。
ことし1月からバドミントン日本代表女子ダブルスのコーチに就任した藤井さんも「コーチングする上で、私が選手に言うことは選択肢の一つでしかない」と、指導と指示は違うことを強調。「私が(現役時代に)やってきたこと、今考えていることを伝えても、選ぶのは選手。『こうしなさい』よりは『私だったらこうする』といった会話をするよう気を付けている。聞くだけでも、伝えるだけでもダメ」と相手がトッププレーヤーであっても意見交換に長く時間を割いている。
宮里はまた、「お子さんが最高のパフォーマンスを発揮するためには“境界線”が大いに試される」と提起した。「私たちは境界線を保つのが非常に難しかった。コーチとしての意見を聞いているはずが、父というフィルターがかかり、素直に受け入れられなかったり、年齢によっては反発したい気持ちも出てきた」と振り返るからこそ、コース内外での接し方、振る舞い方の切り替えの必要性を感じる。
ゴルフの腕前と人間性とは比例も反比例もしない。「選手本人の経験を通じて(保護者が)自分の価値を測ることは避けたい。体験はあくまでお子さん自身のものです」と訴えた。(栃木県宇都宮市/桂川洋一)