シューズの上から靴下を履いて円盤を投げるミカ・ソスナ(C)Getty Images 9月21日に閉幕した「東京2025世…

シューズの上から靴下を履いて円盤を投げるミカ・ソスナ(C)Getty Images
9月21日に閉幕した「東京2025世界陸上」(東京・国立競技場)は、9日間の総入場者数61万9288人を記録する大盛況を見せた。その最終日は夜に入り、激しい雨に見舞われた。
約2時間の中断を挟み、結果的に閉会セレモニー後も競技が続いた男子円盤投げ決勝。投てきするサークル内は降雨で水浸しとなり、運営スタッフがタオルで拭くなど対策を試みたが、それでも足を滑らせる選手が続出した。
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こうした状況を受け、ドイツのスポーツ専門メディア『SPORT1』は「東京で開催された世界選手権の円盤投げ決勝は、自然の猛威によって極限の戦いとなった。豪雨により、投てきサークルを滑走路に変えてしまった。選手たちは完璧な技術よりもバランスを取るのに苦労した。どの試技もリスクであり、転倒の危険は甚大だった。それは世界選手権にふさわしくない状況に見えた」と報じている。
さらに、同メディアは3回の試技で11位に終わった地元のミカ・ソスナへのインタビューを掲載。ソスナは自己ベストから10メートル以上も短い58メートル60にとどまり「正直、何が起こっていたのか分かりません。まるで酷い映画のようでした」と苦々しく述懐した。
続けて「私たちは絶えずサークルに出たり入ったりし、何度もウォーミングアップをし直さなければなりませんでした。そして、また突然雨が降り出し、時には本当に激しく降りました。多くの選手が、なぜこのような状況で世界選手権を行うことができるのか、とその後に不満を述べていました」と証言した。
中断明け以降も、雨は降り続いていた。ソスナは「突然、あらゆるルールが破られました」という表現を交えながら、「ストリートシューズで投げることが許可され、シューズにテーピングをする選手もいて、誰もが即興で対応していました」と振り返った。ソスナ自身は「自分の力の及ぶ限りのことすべてを試した」結果として、シューズの上から靴下を履いて挑んだが「機能しませんでした。完全にお手上げでした」と落胆のコメントを残している。
出場12選手が負傷せずに競技を終えたことは「喜ぶべきこと」としながらも「一歩一歩がリスクであり、どの試技もバランス芸でした。世界選手権でこんなことがあってはいけない」と訴えた。その上で「今回の結果を変えることはもうできません。ただ、私たちがこのような経験から学び、今後の競技会でこのような状況が簡単に受け入れられなくなることを願うばかりです」と締めくくっている。
選手の安全性が問われた今回の男子円盤投げ。運営の判断が今後の国際大会に、どう反映されるかが問われる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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