日本女子プロサッカーリーグ、WEリーグは5シーズン目を迎えた。現在、9月23日に前倒しで第13節を戦った日テレ・東京ヴ…

 日本女子プロサッカーリーグ、WEリーグは5シーズン目を迎えた。現在、9月23日に前倒しで第13節を戦った日テレ・東京ヴェルディベレーザが首位に立っているが、INAC神戸レオネッサが2ポイント差、三菱重工浦和レッズレディースがさらに勝点2差で追っている。これまで通り、この「3強」が優勝争いを繰り広げると考えられるが、新監督の就任や選手の移籍など、この3チームにも、いくつもの大きな変化があった。そのあたりを含めて、サッカージャーナリスト後藤健生が「3強の現状」、今シーズンの「注目ポイント」、注目選手を徹底解説する!

■守屋都弥「アメリカ移籍」で4バックに

「新監督」という意味では、INAC神戸レオネッサも同じだ。

 昨年まではスペイン人のジョルディ・フェロン監督とともに戦っていたが、今シーズンから宮本ともみ監督が就任した。

 宮本監督は伊賀フットボールクラブくノ一などでプレーし、日本代表としても77試合に出場。3度のワールドカップを経験しているという日本の女子サッカー界のレジェンドの1人だ。

 I神戸は昨シーズンまでの戦力を維持して戦えるが、昨シーズン途中の2025年2月にウィングバックとしてチームを引っ張っていた守屋都弥がアメリカのエンジェル・シティに移籍。朴康造(パク・カンジョ)監督時代以来、3バックで戦っていたが、今シーズンは4バックで戦うことになった。

 こうして、2025-26シーズンのWEリーグは、“3強”すべてが新監督の下での戦いとなったことで、各監督のチーム作りに対する興味と(若干の)不安がある中での開幕となったが、しかし序盤戦を終えた段階で“3強”はいずれも素晴らしい戦いを演じているようだ。

■1試合平均「驚異の3.57点」を誇るのは?

 今シーズンの特徴の一つが、ゴール数の増加だ。

 7試合終了時点での“3強”のゴール数を見てみよう。

 I神戸  17得点 5失点
 ベレーザ 25得点 7失点
 浦和   17得点 3失点

 ベレーザの得点は1試合平均でなんと3.57に達し、I神戸と浦和は2.43得点ということになる。

 これを前シーズンと比べてみよう。

 昨季優勝したベレーザは22試合で50得点。1試合平均で2.27得点。準優勝のI神戸は43得点(同1.95)、3位の浦和が32得点(同1.45)。今シーズン、得点力が上がっているのは明らかだ。

 実際、大量点の試合も増えている。

 たとえば、個人的な例だが、僕は9月14日から20日にかけて、WEリーグの“3強”の試合を相次いで観戦に行った。

 すると、まず9月14日の浦和対ちふれASエルフェン埼玉のダービーマッチは5対0で浦和の勝利に終わり、翌日観戦したノジマステラ神奈川相模原対I神戸は1対5でI神戸が勝利。20日のベレーザ対JEF千葉レディースは7対0でベレーザが大勝。3戦とも大量得点の試合となった。

 ちなみに、この3試合、浦和の伊藤美紀が2ゴール、I神戸の吉田莉胡とベレーザの塩越柚歩がそれぞれハットトリックと注目のアタッカー陣が大活躍した。

 つまり、今シーズンのWEリーグでは、“3強”がこれまでになく下位チームに対して大量得点で勝利する試合が目につくようになっている。

■得点力では「物足りない」不動の1トップ

 得点ランキングでは第7節終了時点で伊藤と吉田、がともに6ゴールで首位に立ち、塩越と樋渡百花(ともにベレーザ)が各5ゴールで続いていた(9月23日に前倒しで行われた試合でベレーザの樋渡百花が6ゴールに到達)。

 ゴールランキング・トップタイの伊藤はI神戸に所属していたころはボランチだったが、浦和に移籍して以降、楠瀬直木監督の時代には左サイドハーフとして起用されることが多かった。さまざまなポジションでプレーできるユーティリティ-・プレーヤーである。

 そして、堀孝史新監督のチームでは伊藤は4-1-4-1の2列目で起用されることが多く、そこで自らのゴールゲッターとしての才能を発見したのだろう。

 浦和の1トップはやや手薄で、昨シーズンはDFの髙橋はながトップで起用されることもあった(高橋はその後、日本代表でもFWとしてプレーした)。

 今は島田芽依が不動のトップでプレーしているが、「得点力」という意味では物足りなさも感じることもある。だが、島田はターゲットとしてボールを収めることができるし、相手DFラインの裏を衝く動きの質も高い。そこで、前線で島田がうまくポイントをつくり、2列目の伊藤がゴールを狙うという良い関係性ができているようだ。

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