救済レースの末に復活し、銀メダルを手にしたアメリカの面々(C)Getty Images 9日間の総入場者数61万9288…

救済レースの末に復活し、銀メダルを手にしたアメリカの面々(C)Getty Images
9日間の総入場者数61万9288人を記録する大盛況となった世界陸上の東京大会。今月13日の開幕から国立競技場で数多の激闘を繰り広げられた期間中は、ワールドクラスのアスリートたちへの賛辞とともに、競技の在り方に対する不満を飛んだ。
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とりわけ「超異例」として物議を醸したのが、男子4×400メートルリレーで南アフリカ、アメリカ、そしてケニアに施された“救済レース”だった。
20日に行われた同競技の予選では、1組目でアメリカとケニアが敗退。誰もが実力国の敗退に驚いたわけだが、レース直後に同組のザンビアと接触があったために一騎打ちのレースが決定。まさかの再レースが実施される運びとなった。
アメリカの猛抗議が実る形で決まった再審の末にジャッジが覆った。そんな異例展開で実施された救済レースでは、地力に勝るアメリカがケニアを圧倒。決勝ではレツィレ・テボゴを要するボツワナに競り負けて2位となったものの、最終盤まで優勝を争う存在感を示した。
もっとも、絶対王者に与えられた“敗者復活戦”的な可能性には、ライバル国の関係者からはシビアな意見が飛んでいる。ブラジル陸上連盟のウラミール・モッタ会長は、地元ニュース局『CBN』のインタビューで、男子400メートル障害でアメリカのライ・ベンジャミンが失格処分を撤回され、金メダルを手にした件をふまえて、「間違いなくアメリカが対象であったことは重要だった」と指摘。あらゆる局面における世界陸上連盟の判断を疑問視した。
「もしも、対象となるのが、我々や他の国だったら、その場にいて、最終的な判断を下した審判の決定が確実に優先されていた。そんなことは絶対にあってはならない」
無論、審判団の“アメリカ贔屓”は定かではない。しかし、前代未聞のジャッジ変更が後味の悪さを残したのは間違いない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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