第78回秋季東北地区高校野球宮城県大会の決勝と3位決定戦が23日、仙台市民球場であった。決勝は仙台育英が2―1で東北を…

 第78回秋季東北地区高校野球宮城県大会の決勝と3位決定戦が23日、仙台市民球場であった。決勝は仙台育英が2―1で東北を破り、2年連続27回目の優勝を果たした。3位決定戦は、名取北が延長十回タイブレークの末、10―5で気仙沼を下し、初めての秋季東北大会出場を決めた。上位3校は、10月9日から岩手県で試合が始まる東北大会に出場する。(三村悠)

■「この場面なら」 仙台育英、甲子園での敗戦糧に決めたスクイズ

 同点で迎えた八回裏一死一、三塁の場面、仙台育英の今野琉成選手(2年)が打席に立った。味方が単打と犠打でつないでくれたチャンスだった。

 「この場面ならスクイズ」と確信し、須江航監督と目を合わせる。その通りのサインがでた。日頃から「サインは確認。自分たちで考えてプレーしないと実行できない」と監督。その意図をくみ取ったスクイズを決め、勝ち越しの走者を生還させた。

 今野選手は夏の甲子園大会の沖縄尚学戦にも出場し、「守備と走塁とバントが勝敗を分ける」と痛感した一人だ。あの敗戦から約1カ月、磨いてきた技術でチームを連覇に導いた。

 チームの目標は常に甲子園で優勝。ただ、東北大会に向けて油断はない。「目の前の相手にどうやって勝つかをチーム全員で考え続ける」(三村悠)

■猛練習でつかんだ延長での適時打 名取北、初の東北大会へ

 延長十回表、名取北は押し出し四球で1点を追加。さらに無死満塁で、3番打者児玉大志選手(2年)に打順が回ってきた。

 この日、前の打席までは芯に当てる打撃ができていなかった。丸山諒大主将(2年)から「お前なら打てる」と大きな声援が飛ぶ。気持ちが落ち着いた。「強く振って、どんな形でも後ろの打者につなごう」

 ボール球を見極めて迎えた5球目。低めのスライダーを捉えて、左前2点適時打に。直球待ちだったが、迷いなく振り抜いた。

 夏の大会ではチャンスで打順が回ってきても、凡退する悔しい場面が多かった。新チームが始動してから、夏休みは自主練習で1日300回はバットを振った。その結果、自分の打撃の型が体にしみついた。

 勝利を大きく引き寄せる一打となり、名取北にとっては創部以来初めてつかんだ秋季東北大会の切符。「まだまだ実感はわかないが、甲子園を目指して臨む」(三村悠)