男子100メートルで金メダルのセビル(右)と銀メダルのトンプソン(C)Getty Images 9月21日に閉幕した「東…

男子100メートルで金メダルのセビル(右)と銀メダルのトンプソン(C)Getty Images
9月21日に閉幕した「東京2025世界陸上」は、9日間の総入場者数61万9288人を記録する大盛況となった。しかし、一部からは運営・環境面を巡り、批判が噴出している。今大会を含め、ジャマイカ代表コーチを長く務めるスティーブン・フランシス氏も、その一人である。
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1999年に主にスプリンター強化を目的として「MVPトラッククラブ」を創設。男子100メートル元世界記録保持者のアサファ・パウエルや、リオ・東京と五輪2大会連続の女子短距離2冠のエレイン・トンプソンらを育成したジャマイカ陸上界の名将だ。そんなフランシス氏は、母国の全国紙「Jamaica Observer」に対して「今回はひどい。組織運営の点では、私がこれまで見てきた世界陸上の中で最悪だと思う」と論じている。
「日本の責任ではない」とした上で「世界陸上競技連盟が許容した範囲で彼らは最善を尽くしたと思うが、連盟がますます『主役は選手』という基本を忘れつつある」とバッサリ。「問題は山積みだ。語るには15分では足りない」と続けた。
「問題」の一つに挙げたのが、大会前から指摘されていた「サブトラック」だ。選手たちが本番直前の最終調整を行う「第二の戦場」とも言われる重要な拠点だが、今回は国立競技場付近に設置できなかったため、会場から約3キロも離れた代々木公園陸上競技場に設けられた。その結果、専用バスで約15分の移動を余儀なくされた。
フランシス氏は「ウォームアップ用トラックと競技会場の間に距離があり、選手たちは移動のために、レース開始の約1時間前にウォームアップを終了せざるを得なかった」と指摘した。
さらには、宿泊環境にも言及した。今大会に参加した約2000人の選手とサポートスタッフの同宿を強いられた大型施設について「ホテルでのチェックインに9時間、10時間も待たなければならなかった」と衝撃事実を激白。「そこから全てが悪化した」と断じた。
ジャマイカは男子100メートルで金・銀を獲得するなど、短距離種目では一定の存在感を示した。それでも、同種目で9秒82の銀メダルだった教え子のキシェーン・トンプソンに向けて、「期待されていたようなパフォーマンスを発揮できなかったと言える」と残念がるなど、運営・環境面の影響をほのめかしていた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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