■終盤の失点でRB大宮は3連敗【J2リーグ第30節 9月20日 19時03分キックオフ 大宮 2ー3 今治 NACK5…

■終盤の失点でRB大宮は3連敗

【J2リーグ第30節 9月20日 19時03分キックオフ 大宮 2ー3 今治 NACK5スタジアム大宮】

 大混戦のJ2リーグは、9月20日に30節が行なわれた。ここまで7位のRB大宮は、9位のFC今治をホームへ迎えた。

 前半を2対1で折り返したRB大宮は、後半開始直後に決定機を作る。ペナルティエリア内からFW藤井一志が放った一撃は、DFにブロックされてGKにキャッチされた。

 56分にも追加点の好機を迎えた。右サイドからグラウンダーのクロスが入ってくる。ペナルティエリア正面すぐ外で、MF泉柊椰が右足を振る。しかし、ゴールマウスを大きく外してしまった。

 チャンスを逃していると、試合の流れは変わっていくものだ。65分、右サイドからクロスを入れられ、GK笠原昂史が一度は相手のシュートを防いだが、2本目を決められてしまった。

 直後の69分、長澤徹監督が動く。ボランチの谷内田哲平、左シャドーの藤井、CFのファビアン・ゴンザレスを下げ、MF小島幹敏、FW杉本健勇、FWオリオラ・サンデーが投入される。攻撃のギアを上げたい局面で、長澤監督はしばしば複数人の選手を同時に投入する。

 74分、FWカプリーニの背後へのパスに反応した杉本が、GKの頭上を破るループシュートを流し込む。しかし、オフサイドの判定で得点は認められない。

 77分、泉が左サイドからクロスを入れると、カプリーニがフリーで飛び込む。しかし、ヘディングシュートは枠をとらえることができない。

 70分の3枚替えで、攻撃のギアは間違いなく上がった。言いかたを変えると、縦への意識が強まった。オリオラ・サンデーは背後へのランニングに優れ、彼が走ることで相手DFを下げることができていたから、それ自体は悪いことではない。ただ、2点目につながった関口の仕掛けのように、ピッチの横幅を使った攻撃を織り交ぜていくことで、相手の目線をズラしたり、相手選手の「間」へ決定的に入り込むことができたのかもしれない。

■指揮官は「ボックスの中の勝負で負けた」

 2対2のまま推移した86分、2失点目と同じように右サイドからクロスを入れられ、今治FWウェズレイ・タンキに右ポスト際を抜かれてしまった。

 試合後の長澤監督は、「ボックスの中の勝負で負けた、と感じています。勝ちきるには取りきれないとダメだし、防ぎきらないとダメです」と総括した。決勝点を許したウェズレイ・タンキだけでなく、タンキの周囲を動くFWマルクス・ヴィニシウス、タンキとヴィニシウスにうまく絡んでくるMFヴィニシウス・デニスという「個」に、前半からストレスを受けたのは間違いない。消耗を強いられた。

 その結果として、80分以降の時間帯でクリアしきれない、相手につききれない、という状況が生まれていった。

 今節は首位の水戸ホーリーホック、2位のV・ファーレン長崎が引分け、4位の徳島ヴォルティス、5位のジュビロ磐田が敗れた。RB大宮は7位から8位に後退したものの、J1昇格プレーオフ圏の6位とは、前節終了時と同じ勝ち点1差だ。3連敗は痛恨だが、巻き返しは可能だ。

「残り8試合、もう2か月なので、下向いている暇なんてない。一人ひとりが、俺がチームを変えるというか助けるという気持ちで、また一週間準備したい」

 経験豊富な杉本はこう話す。試合後にブーイングが起きたことも踏まえて、残り8試合へ挑む思いをあらためて明かした。

「個人、個人で色々な思いはあると思いますが、オレは今年上に行きたいし、その気持ちは、オレは一番あると思っているから、そこは練習から見せていかないといけない。あとはもう、どこが大事かと言われれば、試合のなかでは細かいことを言えば色々あるんですけど、サポーターも悔しいと思うし、俺らも悔しいし、見返すというか強い覚悟、そういう気持ちが大事。あとは魂というか、そういう部分になってくると思う」

 次節はアウェイで7位の磐田と、その翌節もアウェイで4位のベガルタ仙台と激突する。RB大宮は正念場の戦いが続いていく。

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