ザンビアの妨害を抗議したアメリカ。異例の形で決まった再レースで決勝進出を掴んだ(C)Getty Images 前代未聞の…

ザンビアの妨害を抗議したアメリカ。異例の形で決まった再レースで決勝進出を掴んだ(C)Getty Images

 前代未聞の決定によって開催された“レース”が波紋を呼んだ。

 9月21日、国立競技場で行われてきた陸上の世界選手権東京大会は最終日を迎え、午前中に男子4×400メートルリレーの予選で妨害を受けたとしてアメリカとケニアによる“超異例”の救済レースが実施された。

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 まさかの展開だった。20日に行われた同競技の予選1組で、3連覇中だったアメリカは6着、ケニアが4着となって一度は敗退が決定。実力国の予選落ちに衝撃が広まったのだが、事態は急転直下の展開となる。

 なんとアメリカとケニアがザンビアから妨害を受けたと猛抗議。これを世界陸連(WA)認定し、2か国に対する救済レースを開催する措置を決定したのだ。

 文字通り“タイマン”となる形で行われた救済レースは、生き残りを懸けた壮絶な競り合いとなった。だが、終盤にかけて地力に勝るアメリカが逃げ切り、見事に決勝進出。逆転での4連覇に望みをつないだ。

 もっとも、ある意味での敗者復活戦ともなった異例処置には驚きの声も広まった。オランダのニュースサイト『Sport Nieuws』は、WAの決定に対して「大混乱を陥らせる衝撃的なものだった」と指摘。さらに「普通であれば、アメリカとケニアはファイナルを敗退することになる。だが、主催者たちは抗議を受け入れ、ともに苦戦していた両国に、驚くべきことにチャンスを与えた」とリポート。その措置の在り方を皮肉った。

 また、大会を取材しているカナダの放送局『CBC Sports』のデビン・ハーロウ記者は、「今回のリレーの予選ラウンドは本当に劇的だった」と指摘。やはり異例だった展開に驚きを隠せない様子だった。

 何はともあれ、絶対王者が“復活”を遂げた決勝はいかなる展開となるのか。午後8時20分に号砲が鳴るレースの行方に注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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