NY地元紙がFA選手を格付け、ダルビッシュの「WSでの2度のひどい先発登板」にも言及 メジャーリーグのストーブリーグがい…

NY地元紙がFA選手を格付け、ダルビッシュの「WSでの2度のひどい先発登板」にも言及

 メジャーリーグのストーブリーグがいよいよ本格的に始まった。今オフは、ドジャースのダルビッシュ有投手が契約満了となり、ヤンキースの田中将大投手は残り3年の契約を破棄してフリーエージェント(FA)となれる「オプトアウト」の権利を保持、そして日本ハムの大谷翔平投手もポスティングシステム(入札制度)を利用してのメジャー挑戦に踏み切る可能性があるため、米国内でも例年以上に日本人選手への注目度が高まっている。

 米最大の移籍情報サイト「MLBトレードルーマーズ」では、ダルビッシュをFA選手ランクで1位と評価し、6年総額1億6000ドル(約182億3000万円)でカブスに移籍すると予想。また、田中が契約破棄に踏み切った場合には、フィリーズと5年総額1億ドル(約114億円)で契約するとした。ただ、ニューヨークメディアの見方はやや違うようだ。地元紙「デイリー・ニューズ」も「MLBフリーエージェントTOP20予想」を掲載しているが、ダルビッシュは4位という評価で、大谷についてはヤンキースと契約すると分析している。

「MLBトレードルーマーズ」ではFAランク2位とされているJ・D・マルティネス外野手を1位、同3位のエリック・ホズマー内野手を2位、同4位のジェイク・アリエッタ投手を3位と評価した「デイリー・ニューズ」。あらゆるメディアでFA市場NO1の評価を受けてきたダルビッシュを4位とした理由は、度重なる負傷離脱、そしてワールドシリーズでの2度のKO劇ににあるようだ。

「彼は、エースとしての給料が欲しいだろうが、背中の違和感での欠場や、ワールドシリーズにおける2度のひどい先発登板を含む浮き沈みの激しいシーズンを送ったために、かなりのリスクが伴うだろう」

大谷の移籍先は「決め手は球団や本拠地に対する個人的な興味となるだろうだろう」

 寸評ではこのように指摘。「ダルビッシュは未だ素晴らしい球を持っていて、彼は大金を得るだろう」としつつも「しかし、2年前にトミー・ジョン手術を受けた31歳である。彼はおそらく期待通りの金額は得られないだろう」と結論づけた上で、エンゼルスと4年7600万ドル(約86億7000万円)の契約を結ぶと予想している。「MLBトレードルーマーズ」とは、総額で8400万ドル(約96億円)、年平均では約750万ドル(約8億5000万円)という大きな開きがある。

 また、大谷を7位で選出。寸評では「彼は日本のベーブ・ルースである。彼は打者としても投手としても素晴らしい。もし彼が本当のFAになることができたなら、とても大きな契約を結ぶことが出来ただろう。しかしながら、新労使協定のために(契約金を含めて)300~500万ドル(約3億4200万?5億7000万円)の契約しかできない」としている。23歳の大谷は、新労使協定の元では契約金が制限され、当初はマイナー契約を結ぶことしかできない。

 記事では「移籍先の決め手は球団や本拠地に対する個人的な興味となるだろう。ア・リーグはDHとしての出場機会を提供できることが大きな強みとなる」とした上で、大谷がヤンキースと契約したがっているのではないかという“不確定情報”にも言及。特集の冒頭でも「ヤンキースは新労使協定のために格安でオオタニを日本から獲得できれば大当たりを引いたといえるだろう」としており、NY紙は大谷獲りを望んでいる様子だ。

 一方で、契約破棄するかが注目されている田中はランク入りせず。ただ、記事では、年平均2200万ドル(約25億円)の右腕がFAとなることを選択すれば、贅沢税を節約したいヤンキースにとってはネガティブな要素ではないとの認識を示した上で「それはブライアン・キャッシュマンGMに柔軟性を与えるだろう」と指摘している。

 ニューヨークでも、日本人投手の去就への注目度は高い。まずは、ワールドシリーズ終了から3日以内と定められている契約破棄の権利を田中が行使するかに熱視線が寄せられている。(Full-Count編集部)