バクーで自信を深めた角田(C)Getty Images 目に見える結果は芳しくはなかった。それでも何かが吹っ切れたような…

バクーで自信を深めた角田(C)Getty Images

 目に見える結果は芳しくはなかった。それでも何かが吹っ切れたような表情を浮かべた25歳は、手応えを口にした。

 現地時間9月19日、F1の今季第17戦となるアゼルバイジャンGPが、同国の首都バクーの市街地コースで開幕。レッドブルの角田裕毅はフリー走行1回目(FP1)で6番手のタイムをマークするも、2回目(FP2)では14番手とダウンした。

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 あくまで順位だけを見れば、FP1から8番手ダウンという結果だが、本人とレッドブル陣営には、21日に迎える決勝を睨んだ策があった。というのも、FP1で絶対的エースであるマックス・フェルスタッペンを0秒052差で上回った角田は、FP2を課題でもあったロングランに重点を置いて走行。燃料をほとんど積まずに軽量化を図るライバル車両とは対照的に、燃料をフルで載せ、ミディアムタイヤを使用。1時間のセッションで長距離走行を繰り返した。

 いわば必然のロスだった。ゆえにタイムを含めて目に見える結果こそ得られなかった角田だが、セッション後に応じたF1公式サイトのフラッシュインタビューでの声と表情は明るかった。

 インタビュアーからレース内容を問われて「(今日のタイムは)納得できる」と断言した角田は、こうも続けている。

「僕の場合はもちろんショートランも改善していく必要がある。でも、今日のFP2はとにかくロングランに集中して、いろいろなことを試してみたんだ。そして今季のロングランで見たことのないような結果を得られた。本当にうまく機能していると思った。このマシンで、どうやってロングランに臨めばいいのか。それがようやくわかってきたんだ」

 周囲から「走行困難」とされる“じゃじゃ馬”マシン『RB21』に、今季は幾度となく頭を悩ませてきた。その中で角田が「クリーンなサンプルがない」(ローラン・メキース代表談)とされたロングラン走行の理解を深めたのは、本人の言葉にもあるようにポジティブな結果と言えよう。

 今現在、去就問題の渦中にある角田。レッドブルとはサマーブレイク後の残り10戦のパフォーマンスと結果で判断する方針で合意しており、本人が目標に掲げる残留に向けた希望が完全に薄れたわけではない。

 実際、チーム幹部も25歳のサムライに期待を寄せている。モータースポーツアドバイザーを務める重鎮ヘルムート・マルコ氏は、オーストリア紙『Kleine Zeitung』において、レッドブルの来季のシート陣容について「我々は意図的に10月末まで、場合によってはそれ以上まで時間をかけて、すべての比較を行いたいと考えている」と明言。その上で角田に対する想いを打ち明けている。

「就任以来、ローラン・メキースはあらゆる分野の対応に追われ、忙殺された。彼はユウキと詳細に取り組む時間すらなかったんだ。我々はまだユウキに希望を持っている。彼の残りのシーズン目標は、できるだけ頻繁に、そして一貫してポイントを獲得することだ。それから来年どうなるかを見ていくことになる」

 とにかく「ポイントを獲得すること」。それがチームの求める“課題”でもある。そうした中で、マシンに対する理解が深まりつつある角田が、どこまで成績を上げられるかは非常に興味深い。簡単ではない名門での生き残りに向け、過酷な戦いは続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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