佐賀競馬の7歳牝馬(ひんば)パドマーワトが、121戦連続で負けている。9日にこの世を去ったハルウララの113連敗の記録…

 佐賀競馬の7歳牝馬(ひんば)パドマーワトが、121戦連続で負けている。9日にこの世を去ったハルウララの113連敗の記録を今年5月に抜いて「新・負け組の星」として注目される中、熱烈なファンもうまれている。

 パドマーワトは北海道新冠(にいかっぷ)町のアサヒ牧場で生まれた。名前はインドの恋愛詩に登場する美しい王妃に由来する。門別競馬(日高町)で2020年6月にデビュー。11戦して最下位10回という散々な成績で、同年11月に佐賀にやってきた。

 福岡県久留米市の60代女性はほぼ毎レース、佐賀で観戦している熱烈なファンだ。「無事にレースを終えてくれたらそれで十分」。もともと競馬ファンだったというが、SNSで知り合った牧場関係者からパドマーワトの話を聞き、応援を始めた。

 「馬主さんに見捨てられないように」と、負けを重ねるごとに感情移入していったという。応援うちわや横断幕を作り、厩舎(きゅうしゃ)にお守りも送った。馬券も毎回500円買って応援してきた。

 今年6月には、日本中央競馬会(JRA)で通算2千勝を達成したクリストフ・ルメール騎手が参加した福岡市内のイベントに手紙を持参し、目の前の台の上に置いた。「パドマーワトに乗ってください」。

 ハルウララに武豊騎手が騎乗して高知競馬を盛り上げたように、ルメール騎手にその再現をしてほしいという願いからだった。

 競走馬は引退後、食肉になるなど、馬として生き続けられない場合もある。

 「勝てなくても話題になれば、きっと引退後も大切にしてもらえるから」と切実だ。「走り続けるだけでも立派。パドの姿に元気をもらっています」(波多野大介)