井上に完封され、一方的に敗れたアフマダリエフ(C)Getty Images 成す術を失って敗れた“挑戦者”に対して厳しい…

井上に完封され、一方的に敗れたアフマダリエフ(C)Getty Images
成す術を失って敗れた“挑戦者”に対して厳しい指摘が飛んでいる。
批判の矛先を向けられたのは、9月14日に名古屋市のIGアリーナで行われたボクシング4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(大橋)に3-0で判定負けを喫したムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)だ。
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試合前に「ここは俺の階級だ」と豪語していた30歳は、眼前に立ちはだかった“モンスター”に技術の差で圧倒された。序盤からジャブ、ボディーストレートを打ちながら、強いカウンターをクレバーに避ける華麗なるアウトボクシングを徹底した井上に対してアフマダリエフは、次第に疲弊。最終12ラウンドまで立ち続けたものの、反撃の余地も与えられずに支配された。
井上の圧倒的なポテンシャルが冴えわたった一戦にあって、守勢に回る場面もあった“最強の挑戦者”。そんなアフマダリエフの戦いぶりを「イライラした」と糾弾したのは、元世界2階級制覇王者のティモシー・ブラッドリー氏だ。
米スポーツ専門局『ESPN』などで解説を務める同氏は、自身のYouTubeチャンネルで、“名古屋決戦”を回想。試合前会見で、ウズベキスタンの伝統的民族衣装「チャパン」を井上陣営に贈るなどしたアフマダリエフの友好的な姿勢に戦士としての違和感を口にした。
「試合序盤から俺が見たのは、MJ(アフマダリエフの愛称)が見せていた過度な同情、過度な敬意、過度な愛だった。それに俺はすぐに気づいたんだ。試合前から相手にガウンを渡したり、そういったもの全てに、俺は正直なところイライラしていた」
アフマダリエフが「チャパン」を渡した理由は明確にされている。異例のプレゼントに込められたのは、「悪意はない」と語られたように、井上はもちろん、興行を成立させた敵陣営に対する素直な敬意だった。
だが、ブラッドリー氏は、不満げだ。往年の名手は、世界最強と評される井上から王座をもぎ取るという壮大な目標を果たす以前にするべき行為だったのかと疑問を投げかける。
「たしかに試合前だったかもしれない。でも関係ないだろ。彼(アフマダリエフ)は、明らかに敬意を示しすぎていたよ。ただただあの空間にいるだけで幸せなんじゃないかと思うくらいにね。待ちに待った試合ができて、たくさんの金がもらえて幸せって感じだった。その精神が気に食わないんだ! イノウエはとんでもないチャンピオンだ。だから敬意を払うのはいいし、当然だ。相手に紳士なのは別にいい。だけど、本当の目標から目を逸らすなよ」
試合後に母国メディア『Zamin』で「望んでいたように戦えなかった」と不満を漏らしたアフマダリエフ。敗者となった今、その胸中で何を思っているだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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