◇国内男子◇ANAオープン 2日目(19日)◇札幌GC輪厚コース(北海道)◇7066yd(パー72)◇晴れ(観衆166…
◇国内男子◇ANAオープン 2日目(19日)◇札幌GC輪厚コース(北海道)◇7066yd(パー72)◇晴れ(観衆1669人)
愛知県の中学生、加藤金次郎(水無瀬中3年)が次週22日(月)にプロ宣言し、25日(木)開幕の国内ツアー「パナソニックオープン」(大阪・泉ヶ丘CC)に主催者推薦で出場する。アマチュア最後の1週間となった今週は、月曜予選会(マンデートーナメント)で先輩プロたちを抑えてトップ通過し「ANAオープン」でプレーした。
本戦では初日に2オーバー90位と出遅れ、2日目も「78」とスコアを落として通算8オーバー。今季3試合目のレギュラーツアーも決勝ラウンド進出の壁は厚かった。「『バーディを取り返したい』と焦ってリズムを崩してしまった。実力不足というか、もっともっと努力していきたい」。プロデビュー戦を翌週に控え、改めて気持ちを整えた。
昨年タイツアーの予選会を突破し、今月初旬に日本ツアーの来季出場権をかけた1次予選会を通過。パナソニックオープンの主催者によると15歳139日のプロ宣言は史上最年少。昨年3月には香川友が中学卒業直後にツアーメンバーに登録するなど、プロ入りの若年化が進んでいる。
国内男子ゴルフを長らくけん引する石川遼は2008年1月にプロ転向。高校1年生の冬にアマチュアの身分を卒業した。16歳でのツアーメンバー入りは当時最年少で大きな話題に。その若さを更新する昨今の流れに、石川は「今の時代はもう(プロゴルファーであることに)年齢は関係ないかなと感じている」とゴルフ界の変化を語る。
「国内のプロのレベルも上がっているが、それ以上にアマチュアの選手の成長スピードも上がっている。『年齢が低い=良い結果が出ない』というのは良い意味で紐づかなくなった」。2007年の「マンシングウェアオープンKSBカップ」でツアーで27年ぶりとなるアマチュア優勝を飾って以降、松山英樹、金谷拓実、中島啓太、蝉川泰果、杉浦悠太が同じ快挙を達成。「ある程度、体ができていれば10代でも通用するのが現実」と思わざるを得ない。
そもそもプロゴルファーは、“基本的に”プロ宣言(アマチュア資格の放棄)すれば誰でもなれる職業。その後に職場があるかどうかが問題だ。高校生だった石川には当時、プロ入りを急ぐ理由があった。「僕の場合はプロ転向したらシード権をもらえる状態だったので、それを選んだだけだった」
ツアー優勝により発生した向こう2年間のシードは、アマチュアのままでは行使できない。「ゴルフが上手くなるために、いずれ世界一になるためにはどうすべきかだけを考えて、(ツアーの)良い環境、難しいコースでプレーできるチャンスが2年間もらえるのは大きいと思った上での決断だった。16歳の時に(シードなどの)ステータスがなければプロ転向する覚悟はなかった。あの優勝がなければ、僕はたぶん大学に行っていたと思う」。いずれ身を投じたいと考えていた働き口が目の前にあったからこそ、階段を上ったまでだった。
だからこそ、加藤ら次世代の早期プロ転向を「僕よりも大きな決断を下したんじゃないかなと思います。僕だったらできない決断」と言った。彼らの判断を嘲笑するつもりはさらさらない。「シード選手でもマンデー(月曜予選会)を通る確率はそんなに高くない。今週は風も強くかなり大変だったと思う。その中で(加藤は)5アンダーでプレーしている時点で、相当な技術レベル」と若年層の今ある力をたたえる。
2010年5月6日。石川が18ホール最少ストローク「58」をたたき出した「中日クラウンズ」最終日の4日後に、加藤は愛知県で生まれた。静岡・浜松開誠館時代に甲子園に出場し現在、関西大で腕を磨く蔵乃介さんを兄に持つ。「ゴルフを始めたときから早くプロになりたかった」という弟は、一足先に社会人になる。「でも、(プロに)なるだけでいいわけではない。まずはレギュラーツアーでしっかり戦える選手になること、1勝すること目指して頑張りたい」。険しい道が続くのは覚悟の上だ。(北海道北広島市/桂川洋一)