◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 presented by P&G 事前(18日)◇ピナクルCC (…

西村優菜は2年前に優勝争いを演じたコースで浮上を狙う

◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 presented by P&G 事前(18日)◇ピナクルCC (アーカンソー州)◇6438yd(パー71)

開幕前日、西村優菜は午前6時15分に真っ暗な10番ティから最終調整を始めた。プロアマの第1組が日の出とほぼ同じ午前7時にスタートする。追いつかれないように回らなければいけないが、同じようにプロアマに入れない選手が思った以上に夜明け前のコースに集まっていたため早めに出たという。フルシードに当たる「カテゴリー1」の選手でも、成績次第ではプロアマのメンバーを外れる試合も増えてくる。今季は事前のコースチェックのスケジュール管理もひと苦労だった。

ここまでポイントランキング141位。間違いなく苦しんできたシーズンにあって、このピナクルCCでは自分への期待値を上げたくなる。ルーキーだった2023年は最終日最終組を回って3位となり、ボーダーラインで争っていた「カテゴリー1」を確保した。前年も12位。米ツアーでは最も得意なコースと言っていいはず。本人も「結果がそう思わせている」とした上で、持ち球のドローボールが打ちやすいロケーションが多いとうなずく。

夜明け前からイン9ホールの最終チェックをスタートして準備完了

迎えるタイミングとしても悪くない。「自分が好きな大会というか、普段よりはチャンスが多いかなと思う試合に、ショットがいい感じになってきたのはプラス。(シーズンの)キーポイントになる試合になれば」。今季悩みの種だった突発的に右へ大きく飛ぶミスがほとんどなくなり、自信を持って振れるようになってきた。西村にとってスタンダードともいえるドローをしっかり打てれば、本来の球筋を操る攻め方にトライすることもできる。実際、ティショットでフェードを駆使するシーンも出てきた。

3年連続の「カテゴリー1」確保へ、残されたチャンスは最大で3試合。タフな状況でも、気持ちは前を向いている印象だ。「無理やり上げてこうかなって」と冗談めかしたが、コースがそう思わせてくれる部分があることは確か。「いつもより不安要素は少なくプレーできるんじゃないかな。もう、やることをやるしかないので、あとはパターさえ入ってくれれば」。この地を再びキャリアのターニングポイントにしたい。(アーカンソー州ロジャース/亀山泰宏)