U−18日本代表で唯一、本塁打を打ったのが今岡 拓夢内野手(神村学園)。大会の本塁打王にも輝いた。 高校通算24本塁打を…

U−18日本代表で唯一、本塁打を打ったのが今岡 拓夢内野手(神村学園)。大会の本塁打王にも輝いた。

 高校通算24本塁打を誇る強打の遊撃手として注目されている。03年の創部時から同校に勤務している小田大介監督は「神村学園史上NO.1ショート」と絶賛。今年では数少ない右打ちの強打の遊撃手としてプロからも評価が高い。

 今岡は取材で、「右方向へ長打が打てる時が最も調子が良い」と語った。ただ、U−18南アフリカ戦の一発をはじめ、これまでの本塁打はボールを巻き込んだレフト方向が多い。全体的に引っ張り傾向で、プルヒッターの一面がある。

 ボールをギリギリまで呼び込むタイプで、始動が非常に遅い。結果を残すには、ヘッドスピードが速く、トップまで無駄のないスイングが求められる。

 この夏は26打数10安打を記録したが、甲子園では4打数0安打に終わった。

 不調に見えた夏はヘッドが遠回りして、内野フライを打ち上げることが多かった。ミートポイントもずれていて、強烈なヒットを打てる感じがしなかった。

 U−18ワールドカップでは速球投手に振り遅れないために、やや始動を早めていた。シンプルに強く振ることにこだわっているので、以前よりもスイングに迷いがなく、今岡らしい思い切りの良い打撃ができていた。

 課題は多いが、近年、高卒プロ入りした右打ち遊撃手の中では打球速度、飛距離は非凡なものがある。

 今岡の良さはやはり高い守備力。小田監督が「華のある守備を見せる」と評するようにフットワークが軽快で、大型選手としては、重苦しさがない。さらに深い位置からでもアウトにできる強肩も光る。U−18ワールドカップではファーストを守ったが、ショートだけではなく、サードもこなせる守備力の高さはある。プロ志望の遊撃手の中でも上位の評価だ。

 最後の夏は思うような成績は残せなかったが、今年のドラフト候補に挙がる野手の中では強烈な打球が打てて守れる右打ちの遊撃手で、下位ながら本指名の可能性もあるのではないか。

 比較対象としては、昨年のドラフトで指名された西武1位の齋藤 大翔内野手(金沢)、中日育成1位の中村 奈一輝(宮崎商)の右打ちショートの2人がいる。斎藤は二軍23試合で打率.290、中村は二軍47試合で、打率.258を記録している。

 今岡の打力は斎藤、中村を上回るものがある。特に打球速度、飛距離は別格だ。

この2人は想像以上に早いスピードでプロに順応しているが、今岡も打撃指導がハマれば、一気に才能を開花させ、長打、本塁打も多く期待できるだろう。

 じっくりと二軍、もしくは三軍制を敷いて地道に育てる球団が向いている選手ではないか。高卒3年目〜4年目で一軍で飛躍できる可能性はある。

 ポテンシャルの高さを評価し、指名する球団が現れるのか、注目だ。