バレーボールの国内最高峰SVリーグ女子に所属するアランマーレ山形が、来年の2026―27年シーズンから山形県酒田市の本…

 バレーボールの国内最高峰SVリーグ女子に所属するアランマーレ山形が、来年の2026―27年シーズンから山形県酒田市の本拠を秋田県内に移す。秋田市と潟上市をホームタウンとし、ホームアリーナには、28年秋に完成する新県立体育館(秋田市)を見込んでいる。

 アランマーレ山形は12日に秋田市で開いた会見で、移転に至った経緯などを説明。米田大介代表は「アリーナが大きな問題だったが、山形のファンに引き続き応援してもらえる地の利も検討した」と説明した。

 SVリーグは30年以降のクラブライセンス(参加資格)交付要件として、5千人以上収容のアリーナで主催試合の8割以上開催を挙げている。

 だが、山形県内に規格を満たす施設はなく、拠点としてきた酒田市は24年2月に資金面で整備を断念。6千人規模となる秋田の新県立体育館を視野に入れ、移転を検討してきたという。

 計画では、30―31年シーズンから本格的に新県立体育館を本拠とする。今後も主催試合の一部を酒田市など山形県内で開催する方針で、下部組織のU15チームは引き続き、酒田市で活動するという。潟上市は練習拠点とし、クラブハウスなどを設ける。

 チームは15年4月に設立。下部リーグからスタートし、23年にVリーグ1部入り。Vリーグを再編したSVリーグには、初年度の24年から参入した。

 西尾博樹ゼネラルマネジャー(GM)は「ここまで来るのに本当に苦労した。その中で勝ち取ったSVのライセンス。やっぱりこれは絶対に捨てられない」と打ち明けた。「親元をはなれるくらい、移転は苦しい。でも、山形で継続するなら、ワンランク降格するしか選択肢はない」と、山形のファンに理解を求めた。

 秋田県内には、同じプレステージ・インターナショナル(本社・東京)が運営する、バスケットボール女子Wリーグ2部のアランマーレ秋田もある。同じアリーナ競技で試合日程も重なり、集客戦略が課題になるが、米田代表は「それぞれ魅力が違う。パイの取り合いとは考えておらず、新しいポテンシャルを取りにいく」と、攻めの姿勢だ。

 山形のチームとして臨む最後のSVリーグは、10月11日に本拠の酒田市で初戦を迎える。昨季、2月に挙げたホーム唯一の白星は酒田市でなく、天童市での試合だった。西尾GMは「今季は絶対に酒田で一つ勝利を挙げ、最後をちゃんとしめたい」と力を込めた。(隈部康弘)