【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬【フェアリーキング…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【フェアリーキング】
3歳春、アイルランドでデビューしたものの、レース中に種子骨を骨折し、1番人気を裏切り11頭立てのしんがり負け。競走馬としてのキャリアを断念し、種牡馬入りしました。
大種牡馬サドラーズウェルズの全弟で、ヌレイエフの甥。種牡馬入り当時は前者の仔がデビュー前だったので、種付け料は安く、繁殖牝馬の質も高いとはいえませんでした。しかし、初年度産駒のファラオズディライトがアイルランドの2歳GIを制覇。その後、エリシオ、オース、ファルブラヴなどを出すなど非凡な能力を発揮しました。
2400mをこなす仔も出しましたが、大半の産駒は仕上がりの早いスピード型で、全兄サドラーズウェルズとはタイプが異なります。わが国ではシンコウキングが高松宮杯(GI・芝1200m)を勝ちました。オーストラリア産のエンコスタデラゴが同国で芝1400mのGIを勝ち、引退後は2年連続リーディングサイアーとなりました。その曾孫のズースターは2024-25年の豪リーディングサイアーとなっています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「ジャパンダートクラシックの有力馬は?」
10月8日(水)、大井競馬場で行われます。3歳ダート三冠の最終関門です。有力馬は以下のとおり。現段階で確定しているわけではなく、だいたいこのあたりが出るのではないか、という想定です。
ナチュラルライズ(父キズナ)
ドンインザムード(父アジアエクスプレス)
ナルカミ(父サンダースノー)
クレーキング(父ナダル)
アドマイヤデイトナ(父ドレフォン)
ルクソールカフェ(父American Pharoah)
カナルビーグル(父リアルスティール)
マウンテンローレル(父ヘニーヒューズ)
注目はナチュラルライズの三冠が成るか、という点。昨年の優勝馬フォーエバーヤングは、アメリカ遠征により春の二冠には出走していません。したがって、ナチュラルライズが優勝すれば、2024年に始まった新しい競走体系のなかで初の三冠馬となります。能力の高さと気性の危うさがひと夏を越してどう変わったのか。まずは己との戦いとなります。
有力馬の父を見ると、トップクラスの人気種牡馬ばかり。キズナ、ドレフォン、リアルスティールは、芝も含めた総合種牡馬ランキングでも10位以内に入っています。