(16日、世界陸上東京大会) 昨夏のパリ五輪と同じ5位でも、意味合いが全く違った。「何が足りなかったんだろう」。順位を確…

(16日、世界陸上東京大会)

 昨夏のパリ五輪と同じ5位でも、意味合いが全く違った。「何が足りなかったんだろう」。順位を確認した男子110メートル障害の村竹ラシッドは、トラックに崩れ落ちた。

 スタートは悪くなかった。が、得意の中盤でハードルにぶつかった。バランスを崩し、メダル争いで抜け出せなかった。

 8月に福井県であった競技会で、今季世界2位の12秒92をマークした。それでも「あれは条件がよかった」とおごりはなかった。飛び抜けた実力で先頭を気持ち良く走れる国内と、世界の勝負は別物。その自覚があるから、ほとんどのレースを海外で走ってきた。

 「今季は12秒台とメダル」。宣言してきた目標の半分はクリアした。表彰台までは100分の6秒だった。「何年かかってもメダルを取りたい」。まだ、23歳。この差を埋めるための挑戦は続く。(加藤秀彬)