その知らせは、突然だった。 16日に東京・国立競技場で行われた陸上の世界選手権(世界陸上)の男子110メートル障害準決…
その知らせは、突然だった。
16日に東京・国立競技場で行われた陸上の世界選手権(世界陸上)の男子110メートル障害準決勝に、泉谷駿介(住友電工)は繰り上げで出場した。
15日の予選は13秒52で予選落ちした。ところがこの日、準決勝へ進んだフランスの選手が棄権したことを受け、急きょ出場が決まった。
通達を受けたときは自宅にいた。レース開始の「1時間前」だったという。慌てて用意し、会場へ向かった。
国立競技場に到着したのはレース開始の20分ほど前。ほとんど準備ができないままスタートを切った。
大きく出遅れた予選から一転、まずまずの飛び出しを見せたが、ハードルに当たり、4台目付近で転倒。立ち上がってフィニッシュラインまでかけていったが、「途中棄権(DNF)」(速報値)となり、敗退が決まった。
突然招集され、レースでは転倒。色々な出来事に「難しかった」と答えた上で、「転んでしまったことなどを、ネタにして強く生きていくしかない」と言い、前を向いた。(遠田寛生)