◇国内女子メジャー◇ソニー日本女子プロゴルフ選手権大会 最終日(14日)◇大洗GC(茨城)◇6840yd(パー72)ソ…
◇国内女子メジャー◇ソニー日本女子プロゴルフ選手権大会 最終日(14日)◇大洗GC(茨城)◇6840yd(パー72)
ソニーが国内女子メジャー第2戦で実証実験に取り組んだ。同社は2025年からの3年間、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)とDX(デジタルトランスフォーメーション)パートナーとして契約する。
今回は実証実験のため一般には公開されなかったが、1番、4番(パー3)、6番の3ホール限定で各ショットの分析情報、臨場感あふれる上空からの映像などを4日間アプリ上で実装させた。
これまでの中継映像、SNS、ニュース記事の対象は上位選手や注目選手に限定されていた。しかし、全選手のショットをデータと映像で確認できる「SHOT INSIGHT」、写実的な3Dマップでコース攻略を知ることができる「IMMERSIVE HOLE VIEW」、生成AIを活用した自動コンテンツ生成とパーソナライズ化された情報配信、推し選手のプレー位置が把握できる「PLAYERS MAP」などでファンエンゲージメント強化につなげたい考えだ。
同社はスポーツをゲーム、音楽、映画、アニメなどとともにエンタテインメント事業の柱として成長させていきたい構想で、すでにNFL(アメリカンフットボール)やサッカー、イングランドのマンチェスター・シティと契約を結ぶなど他競技でもDX化を進めている。
JLPGAの小林浩美会長からは「データ分析をもとにした選手強化につなげたい」と要望を受けたという。仮に全選手、全ホール、全ショットがデータとして残されると、ミスの傾向などが可視化され、パフォーマンス向上のためのコース設定にも生かすことができる。2023年からツアーの半数以上を4日間大会にするなど、これまでも世界で戦える土壌を作ってきた。今季の海外メジャーでは日本ツアーから“巣立った”西郷真央が4月「シェブロン選手権」で優勝、山下美夢有が8月「AIG女子オープン(全英女子)」を制した。より詳細なデータでさらなる競技力向上につなげていく。
準備期間は半年とまだまだ取り組み始めたばかりで、データ取得の省力化などの課題もある。大会後には協会とデータを共有してフィードバックを受けるが、データ活用で新しい観戦体験、日本女子ゴルフ界の強化につながるか。(茨城県大洗町/玉木充)