■後半失点の水戸は4戦勝ちなし【J2リーグ第29節 9月13日 18時00分キックオフ 仙台 1ー1 水戸 ユアテック…

■後半失点の水戸は4戦勝ちなし

【J2リーグ第29節 9月13日 18時00分キックオフ 仙台 1ー1 水戸 ユアテックスタジアム仙台】

 このレースの結末は、誰にも分からない。

 J2リーグ第29節が9月13、14、15日に開催され、前節まで2位のジェフユナイテッド千葉、4位の徳島ヴォルティス、5位のRB大宮アルディージャが敗れた。

 首位の水戸ホーリーホックは13日、6位のベガルタ仙台とのアウェイゲームに挑み、1対1で引分けた。これにより、RB大宮とのアウェイゲームを制したV・ファーレン長崎が、水戸と勝点で並んで2位に浮上した。

 水戸は17分にMF齋藤俊輔のファインゴールで先制した。しかし、2点目、3点目を決めることができない。前半の終盤には決定的なシーンを作られ、試合の主導権を持っていかれてしまう。

 水戸は勝点53で、仙台は勝点47である。自動昇格はもちろんJ1昇格プレーオフ出場をめぐる争いが混とんとしているなかで、どちらのチームも勝点3がほしい。そして、どちらのチームも失点は少ない。

 こうした試合では、セットプレーが意味を持つ。

 73分だった。水戸は右サイドからロングスローを受ける。そのまま仙台の攻撃を連続して浴び、左サイドからのクロスをCB菅田真啓にヘディングで決められてしまった。直前に投入されていたFW宮崎鴻の高さに警戒が集まり、菅田を瞬間的にフリーにしてしまった。

 1対1で迎えた後半アディショナルタイムには、直接FKから宮崎にヘディングシュートを決められた。しかし、オフサイドがあったとして認められず、水戸は何とか勝点1をつかむことができたのだった。これで4試合連続勝利なしとなった。

■J1昇格争いの行方は…

 残り9試合となった今節終了時点で、首位の水戸から6位の仙台までが勝点「6」差で競り合っている。7位のRB大宮は仙台と勝点1差、8位のサガン鳥栖は勝点2差、9位のFC今治は勝点5差だ。J1自動昇格の2位以内はもちろん、プレーオフ出場の6位以内をめぐる争いも、依然として結末が読めない展開だ。

 史上まれにみる混戦である。そのうえで、29節終了時点の順位にどこまで意味があるのか、過去のシーズンを調べてみる。

 24年シーズンは、横浜FCが勝点63で首位に立ち、清水エスパルスが勝点61で2位につけていた。最終的に清水が勝点82でゴールテープを切り、横浜FCが勝点76で2位を確保した。

 3位の長崎は29節終了時点から変わらず3位で、4位の仙台は最終的に6位で、5位のファジアーノ岡山はそのまま5位でフィニッシュした。

 4位のモンテディオ山形は、29節終了時点で9位だった。6位のレノファ山口FCと勝点8差があったが、30節から9連勝で一気にプレーオフ圏まで浮上したのだった。

 23年は、FC町田ゼルビアが勝点60の首位で、ジュビロ磐田が勝ち点54の2位で29節を終えている。以下、清水が勝点49で3位、東京ヴェルディが勝点49で4位、長崎が勝点46で5位、ヴァンフォーレ甲府が勝点46で6位だった。

 最終的な順位は町田、磐田、東京V、清水、山形、千葉である。29節終了時点で9位の山形と10位の千葉が、プレーオフ圏に食い込んできた。

 23年の町田、24年の横浜FCと清水は、昇格の目安となる試合数の倍の勝点を、29節終了時点で稼いでいる。それに対して今シーズンは、首位を走ってきた水戸もノルマに届いていない。自動昇格の本命が見当たらない理由がそこにある。

 今節はJ3自動降格圏の山口が、千葉を破った。下位に沈むロアッソ熊本も、徳島を撃破している。上位だけでなく下位チームも勝点3がほしいなかで、J1昇格争いは終盤へ向かっていく。

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