(15日、世界陸上東京大会) 地響きのように揺れる国立競技場で、男子3000メートル障害の三浦龍司は「一瞬、メダルが見…
(15日、世界陸上東京大会)
地響きのように揺れる国立競技場で、男子3000メートル障害の三浦龍司は「一瞬、メダルが見えた」。結果は8位だったが、大観衆も同じ景色を見た。
レースは異例のスロースペースで進んだ。残り1周からのラストスパート。「耳鳴りがしてるんじゃないかと錯覚するぐらいの歓声」を受け、集団の真ん中から一気に3位まで浮上した。
五輪で2大会連続入賞を果たし、前回の世界陸上は日本人最高の6位に。今年7月には自身の日本記録を6秒以上更新する8分3秒43をマーク。この種目で日本勢初となるメダル獲得に期待がかかっていた。
ただ、予選から足首に痛みがあった。得意の水濠でアドバンテージを出せない。最後の障害で他の選手と競り合うと、「足ががくっときて」。後続に抜かれた。
この種目は、三浦の活躍で注目を集めるようになった。「サンショー(3000メートル障害)のおもしろさ、難しさが最後に出たのかな」。日本陸上界に大きな影響を与えた23歳の挑戦は、これからも続く。(室田賢)