■リーグ戦初先発の2年生左腕が1人も走者を許さない快投 悔し過ぎるスタートとなった。東京六大学野球秋季リーグが13日に開…
■リーグ戦初先発の2年生左腕が1人も走者を許さない快投
悔し過ぎるスタートとなった。東京六大学野球秋季リーグが13日に開幕し、11季ぶりの優勝を目指す法大は慶大1回戦を7-7で引き分けた。リーグ戦初先発の左腕・山床(やまとこ)志郎投手(2年)が7回1死までパーフェクトに抑える快投を演じ、7-0と大量リードしていたが、終盤にまさかの逆襲を許した。
法大を率いる大島公一監督は、現役時代に近鉄、オリックス、楽天で活躍し、打っては通算1088安打、守っては二塁手としてゴールデン・グラブ賞3度を誇った元プロ。その指揮官が今季開幕投手に指名したのは、今春3勝(2敗)を挙げたエース・野崎慎裕投手(4年)ではなく、リーグ戦初先発の山床だった。
山床は今春、リリーフだけで8試合(11回2/3)に登板し、防御率1.54の好成績をマーク。大島監督は「(開幕前に)野崎に少し故障があった一方で、山床の状態がずっと良かった。ボールがいいし、コントロールも体力もあり、開幕にふさわしいと思いました」と起用の背景を説明した。
これが見事にハマる。山床はストレートの球速こそ130キロ台にとどまっていたが、正確無比のコントロールで両サイドを突き、スライダーなどの変化球もまじえて、7回1死まで走者を1人も許さなかったのだ。一方、打線も3回に中村騎士内野手(2年)の先制3ランなどで一挙5点を先取。5回にはプロ注目の主将・松下歩叶内野手(4年)が2ランを放ち、6回終了時点でも7-0と大量リードを奪っていた。
主将の松下は「守っていてずっとランナーが出ていなかったので、5回くらいに(ナインの間で)『こういう時は逆に、ランナーが1人出てからが怖い』という話をしていました」と明かすが、これが悪い意味で的中してしまう。

■「完投してほしかった」過去最多は55球、7回まで92球も8回続投指示
連盟結成100周年の東京六大学野球で過去3度しか達成されていない完全試合が現実味を帯び始めた7回、1死から3連打を浴びて満塁とされ、2死後、代打でリーグ戦初打席に立った加藤右悟捕手(1年)に3点二塁打を浴びたのだった。
山床のリーグ戦での過去最多投球数は55球に過ぎず、この日は7回終了時点で92球に達していたのだが、大島監督は4点リードで迎えた8回も続投を指示。「完投してほしかった。苦しい場面を乗り越えないと成長はないと僕は思っていますし、成長するための神宮だと思っているので、少し無理をさせました」という指揮官の親心だったが、結果的には裏目に出る。
山床が2安打1死球で満塁とされ、内野安打で1点を奪われたところでエースの野崎にスイッチ。しかし野崎も代わり端に押し出し四球を許し、続く9回にも3安打で2点を献上して、とうとう同点に追いつかれた。
「(山床を)引っ張り過ぎたかもしれないし、いろいろ反省はある。もっとやりようがなかったかなと今、反省しています」。大島監督は試合後にこう語り、肩を落としていた。
早大の49回に次ぐ優勝46回を誇る法大だが、2020年春を最後に10季優勝から遠ざかっており、変革が必要なのは確かだ。大島監督はこの日、山床だけでなく、1年生の井上和輝捕手を7番でリーグ戦初先発させ、「8番・遊撃」の品川侑生内野手(4年)もリーグ戦初先発だった。
試行錯誤しながらも、チームを作り変えようという強い意図が感じられた。秋季リーグがまだ始まったばかりで、初戦も負けたわけではない。悔しさを糧に、快進撃へつなげることができるか。