現在、沖縄の那覇で開催されているラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ。日本以外の…
現在、沖縄の那覇で開催されているラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ。日本以外の国を取材するときは、その国ごとのスタッフやWBSCのスタッフが通訳に入ってくれる。
台湾を取材すると、日本語を流暢に操る通訳がいた。王星翰(ワンシンハン)氏だ。王氏は中学までは台湾で過ごし、聖隷クリストファー、帝京大の準硬式と、日本でプレーしている経験が買われ、通訳兼ブルペン捕手として帯同している。
試合前から先発投手のキャッチボール役をつとめ、必死に動き回る。帝京大2年生の王氏は現在も内野手としてプレーしているが、捕手は小学校以来。慣れない捕手の仕事に「台湾の投手は150キロ近い速球を投げるので、捕るのは大変です」と苦笑いする。
そんな王氏はなぜ高校から日本でプレーすることを選んだのか。小学校の時から日本の高校野球に関心があり、その時から日本語の勉強をずっと重ねている。長安中時代は、全国の舞台を経験し、日本へ野球留学することを決心した。
そして高校では静岡の聖隷クリストファーへ。まだ在学していた期間はコロナ渦で、同校の22年の選抜落選については帰国しており、台湾でその一報を聞いたという。「とても残念な気分になりましたね」と振り返る。
日本でプレーして感じたのは、「ピリピリした雰囲気がありますね。守備、走塁に対しての意識の細かさが違う」と感じている。また寮生活は厳しいものと覚悟していたが、「高校ではそんなことはなく楽しくやれていました」と振り返る。今年は母校が初の甲子園出場を決めたが、応援に駆けつけた。
帝京大では経済学部に所属し、「希望の職業の一つに税理士になりたい思いがあり、その勉強をずっとやっています。僕としては日本で就職したい思いがあります」と今後の展望を語る。
王氏の通訳は、野球の難しい用語をしっかりと通訳してやり取りして、言語化ができることだ。王氏のやり取りを見て、記者たちは台湾について他のチームより踏み込んで質問をしている。
その姿に日本のメディアから「日本語、上手いですね」と褒められると、「いやいやそんなことないです」と謙遜するところまで“日本人”だ。
王氏の働きぶりに選手たちも感謝している。12日のプエルトリコ戦で好投したチェン・シーチャンは「すごい!」と日本語で答え、王氏についてこう語った。
「日常生活でも、トレーナーとコミュニケーションをしっかりと取ってくれて、試合中、ベンチにいるときもチームメイトのように励ましてくれています」と良き兄貴分としてチームを支えているようだ。
通訳の仕事については「将来、目指したい選択肢の一つになりました」と今回の帯同を通して、やりがいとなった。
U-18ワールドカップは、選手たちだけの成長ではなく、それを支えるスタッフたちの成長の場になっている。