日本はパナマにサヨナラ勝ちを収め、決勝進出を決めた。13日は台湾戦を迎える。この日台戦を待ちわびていた台湾の野球関係者も…

日本はパナマにサヨナラ勝ちを収め、決勝進出を決めた。13日は台湾戦を迎える。この日台戦を待ちわびていた台湾の野球関係者も多い。

 今年の台湾は一昨年、昨年より小粒といわれる。これまでは日本ハム・孫 易磊投手など、MLB、NPB球団が狙うようなS級選手が多かった。だが、今年はAクラスの選手が多いという。

 これには2つの事情がある。まずはこれまでの代表と比べると大型選手が少ない。そして、台湾の高校野球では二強といわれる平鎮高、穀保家商の選手から選ばれた選手があまりいない。

平鎮高は日本ハムでプレーする古林 睿煬がОBで、穀保家商は元日本ハムの王 柏融がいる。台湾の代表選手は6月に行われる玉山杯の優勝チームを中心に構成される。過去にはこの2校から7割方、選ばれるケースもあった。しかし、今年はこの二強が予選で敗れ、上位進出した台中出身の選手が多く選ばれたのだ。

それでも試合を見る限り、今年の台湾ドラフトに指名された7名の選手が今大会に出場しているように、見ていて楽しみな選手は多い。投打の逸材を紹介していきたい。

【野手】スタメンはドラフト指名の4選手が中心

 まず日本戦で出場する可能性が高い野手の注目株では、ドラフト1位で指名された捕手のチャン・ユーハオ(富邦1位)、外野手のツァイ・シェンジエ(中信1位)の2名に注目だ。

 チャンは3番を打つなど、広角に打ち分ける打撃が持ち味の右の強打者。本人は「自分は右方向へ打つのが持ち味で、そういう練習をしています」と語り、オープニングラウンドのドイツ戦ではライト線へサヨナラ打を放った。ドラフト1位指名されたことについて、「ドラフト1位はいわば称号です。それに見合う選手になれるよう、練習するだけです」と意気込んでいる。

 ツァイは主に2番打者として牽引するアベレージヒッター。スイングスピードも非常に速く、さらに走塁もうまい。捕手のユー・ナンミン(富邦4位)は今大会正捕手として起用されている。粘り強いリード、正確な送球が光る好捕手で打力はチャンに劣るが、守備力は高い。

セカンドのウー・チェンハオ(味全2位)はバランスの良い構えからレベルスイングでボールを捉える中距離打者。スイングも速く、攻守ともにバランスが取れた選手である。

 ただ、今年は打線が低調で、スーパーラウンド戦では韓国戦で1点、プエルトリコ戦では9回裏にようやく1点を奪い、サヨナラ勝ちした。台湾のリャオ・ホンユアン監督は「台湾ではフライボール革命が流行っていて、長打力のある選手が出ています。ただ、高い技術が求められる打法ですし、対応ができていない。短期決戦では向かない打撃スタイルとみています」と原因を語る。現地メディアの方によると、「進学して、MLBを目指す台湾の選手にとって国際大会は重要なアピールの場です。そこで力んでいる選手たちもいるかもしれません」と力みからくる不調だと見ている。

台湾の選手たち

【投手】監督も期待する高校2年生投手トリオに注目

日本戦で登板するのは内野手のチャン・イーアンとなった。ここまで韓国、プエルトリコでメインとなる投手を注ぎ込み、台所事情は苦しいという。

 中継ぎで登板がありそうなのは、ワン・イーシャン(楽天Lamigo5位)だ。右サイドから140キロ台後半の速球、130キロ前後のカットボールを武器とする。

 リャオ監督は「今年は高校2年生の投手がいいんです」と期待を込めるのが、ライ・チェンファン、リン・チュンシー、ホー・ホワの3投手だ。3人とも140キロ後半の速球を投げ込む速球派右腕で、中継ぎとしてスタンバイする。高校1年で184センチの大型左腕・リュウ・ジェンユーも将来有望の逸材として首脳陣の期待も大きい。

 クローザーの役割をこなすスー・ランホンはもともとプロ志望ならばドラフト上位の速球派右腕だが、MLBの契約を目指し、大学に進んで腕を磨くという。接戦になれば出番があるだろう。

 球数制限的に登板は微妙だが、有力な投手たちを紹介したい。今年、チュン・イーエン(楽天Lamigo1位)はしなやかなフォームから繰り出す140キロ台前半の速球を投げ込む本格派左腕。素質の良さを買われている。プエルトリコ戦で7回を投げたチェン・シーチャン (楽天Lamigo3位)は今大会12.2回を投げて無失点に抑えているアンダースローだ。120キロ台後半の速球、スライダー、シンカーを巧みに操り、打たせて取る投球が光る。日本野球に関心があり、アンダースローのフォームを固めるために西武で活躍した牧田和久投手、ロッテで活躍した渡辺俊介投手の映像を見てフォームを固めたようだ。甲子園も見ており、「僕は投げられないですが、日台戦をとても楽しみにしています」と語った。

 今年の世界一はなくなったが、台湾の野球関係者は今大会が貴重な場だと考えている。

「今回はいつものように特定の学校に偏りすぎず、いろんな学校の選手を選んだ。今回の強化合宿、大会を経て成長した選手も多い。結果は芳しくないので、厳しい意見もネット上では見られる。でも現場は将来へ向けての投資とチーム数が日本に比べて非常に少ない台湾高校野球のすそ野を広げるうえでも、重要な選択です」と今回の人選を評価している。

 プエルトリコ戦のサヨナラ勝ちが勢いを乗せるか。ここ2年、日台戦は手に汗握る試合展開となっているが、接戦を期待したい。