その本気が怖いようで嬉しい。
 11月1日に東京・三田のオーストラリア大使館で催されたワラビーズの歓迎パーティーでのことだった。3日後に日本代表とのテストマッチを控えたオーストラリア代表のマイケル・チェイカ監督が言った。チームの広報担当が、2年後のワールドカップの話をふった後だった。

 2014年の秋からチームを率いる指揮官は言った。
「信じられないことに(身内の広報が)2年後のことばかりを言うが(笑)、まずは11月4日の試合に集中したい」
 10月21日のブレディスローカップでオールブラックスに勝った。いい風が吹いている。日本での試合を終えた後、同代表は欧州に渡ってウエールズ、イングランド、スコットランドと戦う。ジャパンとの試合は、チームの勢いをさらに高められるか否かの重要な試合だ。
「ワールドカップの(決勝の舞台で戦う)ことは頭の片隅にはあるでしょうが、チームをビルドアップする重要な試合。ワラビーズとは何なのか。それをオーストラリア人だけでなく、日本のファンにも伝わるような試合をしたい」

 今回のツアーを最後に国際舞台から引退する元主将、HOスティーヴン・モーアも気持ちが入った言葉を発した。
 125キャップを誇るリーダーは、引退を惜しむ声に、こう答えた。
「ワールドカップまで残り2年という時期に…という声も理解できるが、キリがない。エキサイティングなチームでプレーしたまま引退できるというのは幸せなことだと思っています。そして、2年後には誇りを持ってこのチームを応援したい」
 リーダーも気持ちが入っていた。
「私たちのアイデンティティを示したい。現在結果が出ているのは、長い時間をかけてハードワークしてきたし、若手の育成にも力を注いできたから。我々の取り組みがどういう成果を出しているかの成果を見てほしい」
 グリーン×ゴールド vs レッド×ホワイト。
 プライドの激突は、ビッグスタジアムにふさわしいものになりそうだ。