陸上の世界選手権東京大会が13日、開幕する。都内で大規模な国際スポーツ大会が開かれるのは、コロナ禍の2021年に無観客…

 陸上の世界選手権東京大会が13日、開幕する。都内で大規模な国際スポーツ大会が開かれるのは、コロナ禍の2021年に無観客で開催された東京オリンピック(五輪)・パラリンピック以来。都心部ではマラソンと競歩の開催にともなう交通規制も実施されるが、9月に入ってからも続く暑さへの対策が課題となりそうだ。

 大会は21日までの9日間。主な競技は国立競技場で開催されるが、マラソンと競歩は都心部の公道がコースとなる。東京五輪では暑さ対策の観点から、マラソンと競歩は札幌市に会場を移して開催されており、都や陸上関係者にとって都内での開催は悲願だ。

 マラソンの女子は14日、男子は15日のいずれも午前7時半にスタートする。当初は午前8時の予定だったが、「猛暑による選手の健康と安全への影響を考慮する」として、開幕2日前に繰り上げを発表した。

 コースは国立競技場を出発して外苑西通りや靖国通りを通過し、水道橋で右折して神保町へ。そこから秋葉原、日本橋、銀座、東京駅などを巡る1周約13キロの周回コースを2周したのち、ゴールの国立競技場に引き返すコースとなる。

 一帯では午前7時から交通規制が始まり、女子が走る14日は午前11時50分、男子の15日は午前11時10分まで規制が続く道路もある。首都高速では同じ時間帯に「外苑入口」「飯田橋出口」「西神田出口」「一ツ橋出入口」が閉鎖される。

 競歩は13日(35キロ)と20日(20キロ)に開催。国立競技場や隣接する聖徳記念絵画館の外縁がコースとなっており、13日は午前7時から、20日は午前6時半から、いずれも正午ごろまで周辺で交通規制が実施される。

 主催者は「混雑が予想されるので、車や自転車で周辺に出かけることは控えてほしい」と呼びかけている。

 7月から8月にかけて開催された東京五輪と違い、今回は9月の開催となったが、都内では連日のように厳しい暑さが続く。そのため、競技は日中の暑い時間は避け、朝と夕方から実施することになっている。

 観客については、主催者や都が国立競技場周辺やマラソンコース沿いにクーリングスポットなどを設置し、飲料やうちわを提供。競技場内でもミスト冷却装置を活用し、こまめな水分補給を呼びかける予定という。(中山直樹)