イタリア・ローマで開催されている「BNLイタリア国際」(5月8~15日/ATP1000/賞金総額374万8925ユーロ/クレーコート)は12日、男子シングルス3回戦が行われ、第6シードの錦織圭(日清食品/6位)が、第11シードのリシャー…

 イタリア・ローマで開催されている「BNLイタリア国際」(5月8~15日/ATP1000/賞金総額374万8925ユーロ/クレーコート)は12日、男子シングルス3回戦が行われ、第6シードの錦織圭(日清食品/6位)が、第11シードのリシャール・ガスケ(フランス/12位)を6-1 6-4のストレートで下し、準々決勝に駒を進めた。  錦織は13日に行われる準々決勝で、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス/2位)を下して勝ち上がった、第13シードのドミニク・ティーム(オーストリア/15位/22歳)と対戦する。    ◇   ◇   ◇  1ポイント目から錦織の高い集中力が感じられる、目覚ましいスタートぶりだった。ガスケのサービスから始まった第1セット、錦織は鋭いバックハンドに続くフォアボレーで、この試合最初のポイントを取る。続くポイントをまたもフォアボレーで決めたあとは、ガスケのショットがコードに当たってネットを越えず、スコアは0-40に。最後はクロスのバックハンドリターンにガスケが対応できず、錦織はラブゲームでブレークを果たした。  「彼の好きなパターンは後ろで打ち合いをすることだから、なるべくそれをさせないようにプレーした。特に出だしはよかったと思う。彼の球もそう深くはなかったので、どんどん攻めていけたし、1セット目に関しては、ほぼ完璧だった」 錦織は、ボレーによるポイントで始まった第1セットを、満足げにこう振り返った。  実際、それは完璧に近かった。錦織は気迫あふれるアグレッシブなプレーで、ガスケの次のサービスゲームもブレーク。30-30から、オンラインあり、ラインぎりぎりに刺さる強打あり、のスリル溢れるラリーの末、バックハンドのダウン・ザ・ラインを決めてブレークポイントをつかむと、最後はガスケがミスをおかした。  3-0からは、ガスケもペースを変えようと努め、ポイントが競り合い始めるが、錦織は甘いボールを見逃さない攻撃的姿勢を貫いて、ガスケにつけ入る隙を与えず。圧倒的強さでこのセットを6-1で取る。  第2セットでも錦織は、ガスケの最初のサービスゲームでブレークを果たすが、しかし、試合はまったくの山場なしに終わったわけではない。錦織は3本のダブルフォールトをおかしながらもサービスをキープし、第2セットでも3-0とリードしたが、この辺りから、やや様相が変わり始めた。  3-1からの錦織のサービスゲームで、ガスケは流れを変えようと、目に見えて気合を入れて挑んできた。このゲームのラリーでは、ガスケが主導権を握ることも多く、反対に錦織の側に、ここまでなかったアンフォーストエラーが出始めている。それでも錦織はキープに成功したが、それにはちょっぴりの運も加担している。錦織のやや当たり損ねのフォアハンドが偶然短くなり、ガスケは返球できず。次のポイントで、錦織はバックハンドのダウン・ザ・ラインでガスケにミスを強い、握ったアドバンテージを一発でものにした。  しかし、ガスケが勢いを上げつつあることは明らかであり、それが4-2からのガスケのブレークバックという形で現れる。このゲームでの錦織は、置きにいくようなストロークを打って先にミスをおかすなど、明らかに様子がおかしくなっていた。  「ダブルフォールトが多く出たあのゲーム以降、少し彼のペースに、のまれそうな雰囲気になっていた。たぶん全部よければ6-1 6-1で勝てた試合だったと思う。自分のサービスゲームで、集中力が少し抜けてしまったときが何回かあった。でもそれでも、最後はしっかりと集中を戻すことができたので、結果的には、よい試合、自信のつく試合だったと思う」と、錦織は振り返る。  その言葉の通り錦織は、一時は15-40とブレークポイントをつかまれた4-4からの自分のサービスゲームで、リスクを恐れず厳しいコースを突き、その賭けに勝つ。まずバックハンドのクロスでエースを奪い、次はネットにつめてボレーでポイント。いいところでファーストサービスが入り、この日3本目のサービスエースでアドバンテージを握ると、最後は、やはりいいサービスでガスケにリターンミスを強い、5-4とすることに成功する。  この時点で、ガスケはすでに、本来の手強いガスケに戻っており、錦織のほうも、徹底した攻めの姿勢を取り戻していた。こうして最終ゲームも、がっぷり四つの戦いになるが、錦織はセカンドサービスを叩いてプレッシャーをかけ、ガスケの奮起を押し返すことに成功。最後はガスケのストロークがラインを割って、1時間28分の試合に幕が下りた。

リシャール・ガスケ 

 2週連続で、かつての“天敵”ガスケを退けた錦織は、「先週勝ってからは、少し苦手意識は抜けた。まだなんとなく嫌な感じはあるけれど、今日のように、すべきことをしっかり実行できれば、こうやって勝てる。自信がついて、強い意志をもってプレーできれば、勝てる相手だということはしっかり認識された」と、試合後、笑顔で言った。  ティームが勝って、準々決勝の相手がフェデラーではなくなったことについて聞かれると、錦織は、「フェデラーがくると思ってたが、でも、ティームもまた、クレー上では厳しい相手。時間を与えれば、どこからでも強いショットを打てる選手で、サービスもいいので、注意しなければいけないところはたくさんある。明日の試合に向け、また作戦をしっかり練らなければならない」と返答。一方、体調については、「もうかなり戻った。昨日は練習も時間を短くして、しっかり休み、変な疲れも抜けたので、体調面では問題はなくなったと思う」と話し、準々決勝に向け、自信と警戒心の双方を覗かせた。

【男子シングルス準々決勝】※[ ]数字はシード順位

ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[1] vs ラファエル・ナダル(スペイン)[5]

ドミニク・ティーム(オーストリア)[13] vs 錦織圭(日清食品)[6]

ルカ・プイユ(フランス)vs フアン・モナコ(アルゼンチン)

ダビド・ゴファン(ベルギー)[12] vs アンディ・マレー(イギリス)[2]

(テニスマガジン/ライター◎木村かや子、構成◎編集部)