日本ハムOBの鶴岡氏が今後のキーマンに挙げた伊藤大海とレイエス(C)産経新聞社 2022、23年の2年連続リーグ最下位か…

日本ハムOBの鶴岡氏が今後のキーマンに挙げた伊藤大海とレイエス(C)産経新聞社
2022、23年の2年連続リーグ最下位から、24年は2位に躍進した日本ハム。今季も現在2位に付けているが、ソフトバンクに13.5ゲーム差と離された昨季とは内容が異なる。新庄剛志監督就任から4年。分厚くなった戦力の中から、2016年以来9年ぶりの逆転Vへのキーマンは誰になるのか。日本ハムOB捕手であり、ソフトバンクでもプレー経験を持つ鶴岡慎也氏が分析した。
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今季の日本ハムは万波中正や清宮幸太郎といった実績ある選手もスタメン落ちする試合もあり、各ポジションでのレギュラー争いが激しい印象がある。その背景に、鶴岡氏は時代の変化もあるとみている。
「昔とは野球が変わってきています。レギュラーを5人、6人と固めるんじゃなくて、たくさんいい選手を抱えて、フレッシュな状態で回していかないと、選手自身がベストなコンディションで試合に出られないようになっているように感じます。そうじゃないと、成績も残せない。レギュラーをガチッと固定する時代じゃなくなりましたね。
休ませながら、色んな選手を試しながら…そういう意味では、1軍レベルに達している選手を抱えているチームが強い。もちろん4軍制のホークスが一番、そういった選手も多くなるんですけど、ファイターズがその次にレギュラークラスの選手を抱えているなという印象です」
日本ハムは飛行機移動に加え、近年は夏の酷暑も影響し、コンディション維持も大変。メンバー変更を施しながらも、新庄監督は相手投手の特徴を見て、対応している。
「選手がフル出場するという時代ではなくなりました。新庄監督も8月に一度、3試合連続でメンバーを固定したこともありましたけど、それまでは本当に色んな選手を回していました。この投手なら、この選手とか。長打力がある選手を並べてみたりとか。足の速い選手を並べてみたりとか。就任1年目から色々と試行錯誤をやっていましたけど、今年実となって、形になっているんじゃないでしょうか」
捕手は25歳の田宮裕涼と、35歳の伏見寅威が中心となっている。その併用のバランスも絶妙に映る。
「田宮は去年春先が良くて、シーズン後半に失速しました。そして、今年はシーズン序盤はあまりよくなかったんですけど、後半になるにつれて、バッティングの調子も上がってきて、出場機会も増えてきました。そのあたりは、去年の経験が生かされているなと感じますね。伏見はいつ出しても、ちゃんとしたパフォーマンスを出してくれるので、バランスがすごくいいように感じます。9月4日のロッテ戦も、久しぶりに出ましたけど(8月27日の西武戦以来)、達孝太という若い投手を、しっかりリードしていました。伏見はいつでもやってくれるという安心感があるので、田宮を思い切り使えるという首脳陣の考えもあるのかなと感じます。これからメインは田宮でいくと思いますが、伏見の存在価値というのは、どんどん高まっていくでしょうし、田宮も伏見も投手からすごく信頼を得ている捕手です。そして、自分がマスクを被っている時に勝つことで、自信がどんどん生まれてきていると思います」
昨年王者のソフトバンクには、経験豊富な選手が多くそろう。一方の日本ハムは、今年初めて優勝争いの中を戦っている選手がほとんどだ。
「ソフトバンクとの差は『経験』だと思います。ファイターズには優勝争いを経験している選手が少ない。生え抜きでは、宮西尚生と中島卓也くらい。そこは課題と言えば課題ですけど、逆に言えば、伸びしろがあるという意味にもなります。この緊迫した、すごい緊張した中で、プレーするのは初めての選手ばかり。そこで逆にすごい力を発揮する選手も出てくるのかなと。ひりひりした緊張感が+αに働くのはファイターズなのかなと思いますね。経験があるチームとないチームによる優勝争い。両極端な感じがしますね」
優勝マジック「15」(9月10日時点)を点灯させているソフトバンクを逆転するためのキーマンは誰になるのか。鶴岡氏は投打の大黒柱を挙げた。
「間違いなく最後は、エースの伊藤大海、4番のフランミル・レイエスになります。主力の選手たちの活躍がカギを握りますね。もちろんその前後を埋めるバッター、ベテランの中島、伏見とかの存在も大きくなるとは思うんですけど、やはり最後はエースと4番ですね。それはホークスに限っても同じで、リバン・モイネロと近藤健介になってくると思います。どれだけ主力がこれからチームに貢献できるか、勝負を決める一打を打てるか、欲しいところで勝てるか、そこになってくると感じています」
そして、新庄監督の采配も欠かせない。
「ホークスは中継ぎ、抑えが固定されているので、戦う形ができ上っています。ファイターズは上原健太であったり、玉井大翔であったり、柳川大晟、田中正義、ベテランの宮西…ここらの投手は、本当に日替わりの運用になってくると思います。新庄監督の継投の采配であったり、投手コーチの存在感というのが、大きく左右するのかなと。本当に難しいところです。6連戦(9月2~7日)は終わりましたけど、この先はどこまで無理させるのか。選手は無理しなきゃいけない時期にきています。ある程度、状態もキープしなきゃいけないですけど、最後は使い切らないといけない。新庄監督の采配がすごく大事になってくるのではないでしょうか」
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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