03年の牝馬クラシックはサンデーサイレンス産駒の2頭を中心に回った。春の二冠はスティルインラブが制覇。一方、両レース…

 03年の牝馬クラシックはサンデーサイレンス産駒の2頭を中心に回った。春の二冠はスティルインラブが制覇。一方、両レースでともに1番人気だったアドマイヤグルーヴは3着、7着と涙を飲んだ。そして迎えた秋。今回はライバル2頭が3回目の対戦となった03年のローズSを振り返る。

 春の活躍馬がズラリと顔を揃えた一戦。1番人気に推されたのは桜花賞とオークスを制したスティルインラブだった。単勝オッズは1.9倍。これにアドマイヤグルーヴが3.0倍で続いた。以下、2歳女王のピースオブワールドが7.0倍、上がり馬のベストアルバムが12.0倍、フィリーズレビュー覇者のヤマカツリリーが12.4倍だった。

 レースはヤマカツリリーの大逃げで幕を開けた。スティルインラブは3〜4番手から。これをマークするようにアドマイヤグルーヴは内で脚をためた。4角でもヤマカツリリーのリードは5馬身ほど。これを追う後続だが、スティルインラブの反応が鈍い。対照的に内から鋭く伸びたのがアドマイヤグルーヴだ。一完歩ごとにヤマカツリリーとの差を詰めると、残り50mできっちり捕らえてゴール。名牝エアグルーヴの初仔となる超良血馬が、待望の初タイトルをつかみ取った。一方のスティルインラブは5着に敗退。自身初の馬券圏外に沈んだ。

 2頭の戦いはこの後も続いた。秋華賞ではスティルインラブが巻き返し、史上2頭目の牝馬三冠を達成。しかし、続くエリザベス女王杯ではアドマイヤグルーヴが雪辱を果たし、母仔3代のGI制覇を果たすこととなる。