セントライト記念は3連単の7桁配当が一度も出たことがないレースだ。では、最高配当が出たのは何年か? 答えは15年で、…
セントライト記念は3連単の7桁配当が一度も出たことがないレースだ。では、最高配当が出たのは何年か? 答えは15年で、意外にも勝ち馬は後にGIを7勝したキタサンブラックだった。ちょうど10年が経ったタイミングで、このレースを振り返りたい。
後に歴史的名馬となるキタサンブラックだが、このレースでは単勝12.5倍の6番人気に過ぎなかった。1番人気は日本ダービー2着以来となるサトノラーゼン。以下、ブライトエンブレム、ベルーフ、ロッカフェスタまでの4頭が単勝オッズ1桁台だった。
レースは伏兵ミュゼエイリアンの逃げで幕を開けた。サトノラーゼンは中団、ブライトエンブレムは後方から運んだ。前半1000mは61秒1のスローペース。これを味方につけたのがミュゼエイリアン、そして番手追走のキタサンブラックだった。直線で後続が脚を伸ばすが、ペースが遅かった分、前の組がなかなか止まらない。残り200m過ぎにキタサンブラックが抜け出し、壮絶な2着争いを尻目にフィニッシュ。2着にはミュゼエイリアンが粘り込んだので、典型的な“行った行った”の決着だった。馬連は1万3320円の万馬券。6番人気→9番人気→10番人気の順で入線し、3連単は今でもレース史上最高配当の61万8050円の大波乱となった。
これで重賞2勝目となったキタサンブラックは、ここから大きく飛躍する。続く菊花賞でGI初制覇。その後の活躍は皆さんがご存じの通りで、GI・7勝を挙げると、種牡馬としてもイクイノックスやクロワデュノールなど、産駒から超大物が続々と誕生。平成後期から令和を代表する名馬、名種牡馬として、歴史に名を残すのであった。