2位に17ゲーム差とぶっちぎりの優勝となった(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext 藤川阪神が…

2位に17ゲーム差とぶっちぎりの優勝となった(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext

 藤川阪神が歴史的な強さで優勝を決めた。

 マジック1で迎えた9月7日の広島戦(甲子園)に2-0と勝利。最後は守護神の岩崎優がしっかり3人で締め、ゲームセット。応援に訪れた猛虎ファンの前で5度、宙に舞った藤川球児監督。2年ぶり7度目、また9月7日のV決定は2リーグ制後の最速記録、球団創設90周年の節目の年、新人監督が初年度に優勝を飾るのは史上初の快挙ともなった。

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 投打に充実の戦力を整えた指揮官の手腕、選手たちの頑張りが高く評価されながらも、クローズアップされているのは、阪神に独走を許した5球団の「弱さ」にもある。
 
 2位巨人とは優勝決定時で17ゲーム差、2位以下の球団は勝率5割以下の借金生活という現状など、歴史的な大差がついたことでペナントレースの価値や、CSの在りかたについて球界OBの間からも意見が沸き起こっている。

 巨人で監督も務めた堀内恒夫氏は自身のブログ「今日もどこかであくたろう」を、「阪神タイガースの強さとCSについて」というタイトルカットで8日に更新。優勝を決めたタイガース、CSについて触れている。

 阪神の今季の強さの理由に関しては「怪我人が少ない」「野手1~5番が固定されている」「完投ピッチャーが4人いる」など、様々な理由をあげた。

 特に阪神自慢の投手陣、野手陣に関しては「ピッチャーは与四球が少なく、バッターは四球が多い」と称賛。それぞれが役割をしっかり果たせていることも躍進につながったとした。

 伝統の一戦の相手である阪神に向けて「いいチームに仕上がってるね。優勝おめでとう。」としっかり実力を認めた。

 また、現在、議論を呼んでいるCSに関して「これについても一言 言いたいね。」と切り出すと、「本日付(8日付)で2位の巨人が借金1」「借金があって 1位阪神とのゲーム差が17もある。」と言及。

 シーズンを完走しないと数字は確定しないとしながら、堀内氏は「万が一、この成績でCS勝ったとしても 日本シリーズに行ったらいかんと思うよ」と独自の見解をつづった。
 
 さらに「近年、あちらこちらから聞こえてはいたが いよいよCSを本気で見直すタイミングにきているんじゃないのかな」と問題提起。

 CSといえば、2004年の球界再編を契機に2007年からセ・パ両リーグで導入した経緯がある。たとえリーグ優勝が決まっても、消化試合が減り、新たな野球の楽しみを発掘したという側面もあったが、今季は阪神がぶっちぎりの優勝を果たしたことで、CSの存在意義が問われる事態となった。

 堀内氏もこう続ける。

 「日本シリーズというのはあくまでもそのシーズンの優勝したチーム同士の戦い」としながら、「ここまで『力の差』があるのに短期決戦でひっくり返すには無理があるだろうに」と持論を展開。ペナントレースで大差がついた中でのCSの在りかたや、レギュラーシーズンの重みに関して、一石を投じた。

 実際に藤川監督も7日の優勝監督インタビューでは「この143試合はペナントレース。ペナントを取る、その1チームだけがチャンピオンですから」と長いシーズンを戦った上で優勝したという、自負をにじませる場面もあった。

 歴史的な強さを見せた藤川阪神の戦いぶりがCS改革の議論につながっていくのか。今後も注目を集めていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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