藤川監督は坂本、梅野の両捕手の貢献をたたえた(C)産経新聞社 今季圧倒的な強さを発揮していた藤川阪神の優勝が決まった。 …

藤川監督は坂本、梅野の両捕手の貢献をたたえた(C)産経新聞社
今季圧倒的な強さを発揮していた藤川阪神の優勝が決まった。
マジック1で迎えた9月7日の広島戦(甲子園)に2-0で勝利。9月7日にリーグ優勝を決めたのは2リーグ制後、史上最速、また阪神において新監督が初年度に優勝を飾ったのも史上初の快挙となった。球団創設90周年の節目の年に45歳の青年監督が大きな仕事をやってのけた。
数々の数字が異例のシーズンを物語っている。
貯金33、2位に17ゲーム差をつけての独走優勝。現状で2位以下が勝率5割を切る、借金状態という異例の事態、またチームの強みとされたのは磐石の投手陣にもある。
チーム防御率はリーグトップの2.12、救援防御率は1.93と異次元の1点台と守り通した。
特に救援陣においては守護神の岩崎優を中心に、48試合連続無失点記録を更新中の石井大智、リーグ最多の60試合に登板、40ホールド、防御率0.94の及川雅貴と強固な救援陣も話題を集めた。
優勝を決めた試合後の勝利監督インタビューでも鉄壁の投手陣について聞かれた藤川球児監督は「たくさんのピッチャーが投げてくれた」としながら、「坂本と梅野」と2人のキャッチャーの名前を挙げながら、「本当に2人が精一杯やってくれた」「どんな投手が出ても素晴らしい成績を残したというのはもうキャッチャーのおかげ」と扇の要の役割をしっかり果たした2捕手を称えた。
今季主戦として台頭した坂本誠志郎は101試合に(途中出場含む)出場、投手陣と会話を重ね、柔軟なリードで投手の良さを引き出したとされる。打撃においても優勝決定試合となった7日の広島戦でも1四球を含む、マルチ安打を記録。打率.243と「打てる捕手」としても存在感を示した。
一方、今季はベンチを温めることも増えたベテランの梅野隆太郎が意地を見せたのは8月27日のDeNA戦(横浜)、プロ初先発のマウンドに立った育成出身の早川太貴とバッテリーを組んだ試合だった。
蒸し暑い横浜スタジアムのマウンドで初回から汗がびっしょりとなった新人右腕に時に声をかけながら、しっかり好リードで5回2安打無失点と導くと、バットでも今季初の猛打賞と攻守に躍動した姿をアピール。早川のプロ初勝利につなげた。
捕手は特に育成に時間がかかることで知られ、常勝軍団を見据えても、力が拮抗する2人以上の安定した力を発揮する捕手が求められる。
最強投手陣を後押しした両捕手のパフォーマンスには今後のポストシーズン含め、引き続き注目が集まっていきそうだ。
*記録はすべて7日現在
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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