この夏の甲子園・県岐阜商戦で神業ともいえるプレーを見せた横浜・奥村 凌大内野手が、U-18ワールドカップのキューバ戦で、…

この夏の甲子園・県岐阜商戦で神業ともいえるプレーを見せた横浜・奥村 凌大内野手が、U-18ワールドカップのキューバ戦で、またも驚異的な視野の広さを感じさせるワンプレーを見せた。

 3回裏、一死一、二塁で打者は、キューバ打線で最も怖い1番・ジョナサン・モレノ。モレノの痛烈なゴロをショート・高畑知希(東洋大姫路)が処理して、セカンドベースに入った奥村へスロー。併殺を狙った奥村は一度、一塁へ投げる態勢に入っていたが、すぐに体を反転させ、三塁へ送球した。

 オーバーランした走者はすぐに三塁に戻り、わずかにセーフとなったが、奥村の視野の広さをうかがわせるプレーだった。

一塁へ投げようとしていた奥村凌大

「まず打者走者は俊足の選手だった。余裕があればもちろん一塁に投げますが見た瞬間、間に合わないと思ったので、三塁を見たらオーバーランしているのが見えたので、三塁に投げました」

 打者走者の動きと二塁走者の動きを同時に見て瞬時にプレーに移行できる選手はなかなかいない。横浜の3年間で、状況判断を常に想定したプレーをずっと重ね、さらに動きの切れの良さを見ると、相当なトレーニングを積んできたのがうかがえる。

 打者としても、適時打を記録し、攻守両面で活躍した奥村。

「他国はボールが速い投手や、球を動かす投手は多いですが、日本の野球は間違っていないと思います。日本の野球はしっかりと犠打を送り、犠牲フライを打つ。投手が投げるときにしっかりと守って、最小失点で切り抜けるのは、日本の野球の持ち味だと思うので、世界でどれだけ通用するのかというのを今、感じています」

 続く試合や、スーパーラウンドでもキーマンとなりそうな奥村。次戦へ向けて意気込みを語った。

「ここまで3連勝しているので、オープニングラウンドはすべて勝って、スーパーラウンドにつなげられるように。自分たちはやるべきことというのはこだわって、やっていきたいと思います」

 4戦目以降もキーマンとなりそうな奥村。重要な一戦で攻守ともに真価を発揮できるか。