久々のQ3で10番手となった角田(C)Getty Images「僕の望みとは真逆だった」 レッドブルの角田裕毅は、チーム…

久々のQ3で10番手となった角田(C)Getty Images

「僕の望みとは真逆だった」

 レッドブルの角田裕毅は、チームの判断に素直に疑問を投げかけた。

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 現地時間9月6日、F1第16戦イタリアGPの公式予選が行われ、角田は3戦ぶりに予選3回目(Q3)進出。一時は全体3番手に上がるなど好走を見せて10番手となった。ただ、決勝でスターティンググリットが決まる勝負所のQ3からは、“不可解”とも言える指示が飛んだ。

 8戦ぶりにポイントを獲得した前戦のオランダGPからの勢いをそのままに躍動した角田。Q1を4番手で突破すると、Q2も10番手に食い込んでクリア。久々に到達したQ3では一気に上位進出も狙えたが、チームから先頭でコースに入る指示が出たのだ。

 先頭でレースを走るのは、一般的には「不利」とされる行為だ。というのも、アクシデントに巻き込まれる不安は軽減される一方で、前方車がいなくなるために気流の関係で得られる空力的アドバンテージはほぼゼロ。さらにトラック上はマシンが走れば、走るほどタイムが上がっていく。

 チームとしてはより視界がクリアな状態でラストアタックに転じさせたかったのかもしれない。だが、マシンにようやく慣れてきた現状を考えれば、角田もあらゆる環境を見た上で後方から他車を追い上げる方がより確実にタイムを縮められた可能性はあった。

 ゆえに角田も陣営の取った戦略に不満を募らせた。Q3を走り終えた25歳は、F1公式のフラッシュインタビューで「全体的には満足している」と前置きした上で、こう続けている。

「Q3では理想的なスリップストリームを得られなかった。ここのサーキットのような場所では、伝統的に集団の中でちょっとはスリップストリームの流れが欲しい。でも、今日は逆にトップで隊列をリードせざるを得なくなった。結果的にそれは僕の望みとは真逆だった。3、4週分は確実に影響があった」

 また、角田は改善されたようにも映る“じゃじゃ馬マシン”『RB21』へのフラストレーションも打ち明けている。

「理論上は良くなったように見えた。それにFP1からのスタートは、高ダウンフォースのトラックだった過去2レースと比べて少しは良かった。でも、まだまだ(操作は)全然簡単じゃない。バランスはまだかなり雑然としていて、不安定だった」

 決勝のポールポジションを掴んだエースドライバーのマックス・フェルスタッペンを「優先させた」とも見られている今回の指示。いわば“捨て駒扱い”との指摘も出ているが、角田が最後までクレバーに走り切ったことは、評価に値すると言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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