オリオールズ打線を圧倒した山本(C)Getty Images 圧倒的な投球だった。 現地時間9月6日、敵地でのオリオール…

オリオールズ打線を圧倒した山本(C)Getty Images

 圧倒的な投球だった。

 現地時間9月6日、敵地でのオリオールズ戦にドジャースの山本由伸が先発登板。8回2/3(球)を投げ、被安打1、無失点、10奪三振と好投。文字通りエース級の内容を披露した。

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 頼みの綱と化した背番号18が、重苦しいムードを吹き飛ばした。初回、先頭のジャクソン・ホリデーを1球で中飛に打ち取った山本は、危なげなく3者凡退で終える。続く2回は相手打線の中軸と対峙したが、ここも最速98.2マイル(約158キロ)を計測した4シームとスプリット、カーブを高低に投げ分ける投球で3者凡退に抑え、盤石の立ち上がりを見せた。

 完全に勢いに乗った山本は、4回には試合開始前から降り続いた雨がふたたび強まり始めたが、天候の変化も意に介さず。淡々とスコアボードに「0」を並べた。

 迎えた9回。2死を奪って迎えたホリデーにカットボールを痛打されてソロ本塁打を被弾。惜しくもノーヒットノーラン達成は逃した。それでも、先のカードでナ・リーグ中地区最下位のパイレーツに3連戦3連敗を喫して、負の連鎖にのまれたチーム状況を変えるには十分すぎる投球だった。

 ただ、山本の好投も勝利には結びつかなかった。9回2死からマウンドに上がったブレイク・トレイネンが2本のヒットと四球で満塁のピンチを招くと押し出しで1点差に。ここでドジャースベンチは守護神のタナー・スコットにスイッチするも、エマヌエル・リベラに痛恨のサヨナラ2点適時打を打たれて万事休すとなった。

 試合後、米メディアでは、ノーヒッターまであと一歩と迫った山本に賛辞が相次いだ。専門サイト『Dodgers Nation』のノア・カムラス記者は自身のXで「ヨシノブ・ヤマモトは今シーズンで最高のパフォーマンスを見せた」と絶賛。112球、10奪三振の熱投に「彼はドジャースが必要としている勝利を託される重圧を背負った。なんと素晴らしいパフォーマンスだろう。エースだ」と褒めちぎった。

 敵地にもかかわらず、降板時にはスタンティングオベーションによる万雷の拍手が送られた山本。9回2死まで続いた彼の気迫の投球が勝利に結びつかないのは、今のドジャースの苦境を物語っていると言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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