◇国内女子◇ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント 2日目(6日)◇ゴルフ5カントリー オークビレッヂ(千葉県)◇65…

今季復活優勝を飾った柏原明日架はバンカーの名手

◇国内女子◇ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント 2日目(6日)◇ゴルフ5カントリー オークビレッヂ(千葉県)◇6505yd(パー72)◇晴れ(観衆1945人)

左サイドのピンを狙ったショットのライが、少しつま先上がりだったことが頭から抜け落ちていた。最終18番、柏原明日架の第2打はグリーンのさらに左へ。開催コースの名物・17番(パー3)のバンカーほどではないが、こちらも3m近い高さのアゴがゴルファーの前にそびえ立つ。

柏原はこのピンチを難なく切り抜けた。「若干、左足も上がっていたので球は止まりやすい」とロフト56度のウェッジで事もなげにピンそばへ。「64」のスコアカードはボギーのない美しい仕上がりになった。

優勝してからも自身の課題と向き合う

3週前の「NEC軽井沢72」で6年ぶり3勝目を挙げた今季はサンドセーブ率でツアーナンバーワン(65.3465%)。ちなみに年間2勝した19年シーズンもトップだった“砂の女王”はもともとバンカーが苦手だったという。

「(地元)宮崎の練習場で一日中、バンカーから出ないみたいなことはやっていました」と若かりし頃を振り返りつつ、「(ショットが)たくさん曲がっていっぱい入れているので。試合の緊張している中でたくさん打ってきたのが一番の理由」と笑う。実戦を多くこなすこと以上に、上達への道はないというのが本音だ。

フェードヒッターながら左サイドの恐怖と闘っているという

キャディバッグにPW以外で並ぶ4本のウェッジ。ロフト角60度、56度、52度、48度のすべてが「バンカーショットで使う」クラブだと柏原は言う。この日の5連続バーディの渦中、前半6番(パー5)の3打目では52度で脱出を図り、4番の2打目では60度で“OK”に寄せた。「基本的には寄らないバンカーはない」と思えるほど苦手意識が少ないからこそ、ショットでアグレッシブにグリーンを狙えるのも強みになる。「できれば『のせたい』と思ってますけど、バンカーに対してあまり気持ちで負けることはない」

8アンダーは荒木優奈稲垣那奈子と並ぶ首位。悪天候による36ホールの短期決戦で早くもシーズン2勝目のチャンスが巡ってきた。目下、取り組んでいるのがショット時の課題克服。「景色に負けてしまうようなことがある。きょうは3回くらいできなかった。あしたは完ぺきにできるように」。頭を悩ませる事案の数は決して多くない。(千葉県市原市/桂川洋一)