今回は、アルビレックス新潟のディフェンダーだった新井健二さんと一緒に、彼の古巣である新潟の現状を、8月23日に行われた…

 今回は、アルビレックス新潟のディフェンダーだった新井健二さんと一緒に、彼の古巣である新潟の現状を、8月23日に行われた第27節の対鹿島戦と、8月31日に行われた第28節の対浦和戦などから分析していきたい。

■「内容は新潟のほうが良かった」

 新井さんは、立正大学サッカー部を経て、新潟に加入します。2001年から2003年まで新潟にいて、2004年にアルビレックス新潟シンガポールに移籍。さらに、2006年にはシンガポール・アームド・フォーシズに完全移籍して、そこでレギュラーとして活躍して、リーグ4連覇などを成し遂げました。

 2013年に現役を引退されて、現在は「Fly High Soccer school」の代表を務めながら、出身校である常磐高校サッカー部のコーチをしています。
 そういえば、8月23日の第27節、新潟対鹿島戦は現地でご覧になったんですよね?

新井 はい、高校の生徒たちにプロのサッカーを見せたくて、引率する形で新潟に行ってきました。生徒たちは観客席の自由席で、僕は記者席で見せてもらいました。試合は1-2でアルビ(アルビレックス新潟の略称=以下、アルビ)の逆転負けでした。

――試合を目の前で見て、どんな感想を持ちましたか?

新井 この夏の移籍期間で7人が移籍して行って、7人が新たに加入しているんです。鹿島戦はその内の6人がスタメンで出ていました。だから、まったく新しいチームになったと考えていいと思います。
 そんな中で鹿島戦を生で見て、実際、どっちが上位のチームで、どっちが下位のチームかわからないようなゲーム運びだったんです。なんなら鹿島よりも内容は、新潟のほうがよかったんじゃないのかという感じでした。問題は、結果がともなっていないことですよね。

■「手も足も出ない試合ではない」

――これから話題として取り上げる鹿島戦と浦和戦ですが、特に浦和は、チームの弱点は新潟と同じ。要するに、サイドバック(以下、SB)のポジションが弱点です。
 攻撃よりも守備の面が問題で、中に絞るときは絞りきれないし、開かなければいけないときに開けない。相手選手に食いついたり、ボールウォッチャーになったりする。言い方が悪いかもしれませんが「穴」ですよ。他チームの分析担当コーチは、新潟も浦和もSBに問題があると見ているはずです。

新井 確かに、両チームに共通するウィークポイントかもしれませんね。

――攻撃の面、チャンスのときはどうだったのかを見ていくと、浦和も新潟もそれぞれ、これ以上ないという決定的な場面が2回ほどあった。
 これは後から少し解説しますが、まず、小原基樹がペナルティエリア前までボールを運んで、シュートを打った場面がありました。次に、ブーダがペナルティエリア中央から右足で枠内にシュートを放ったものの、西川周作にセーブされます。
 一方の浦和は、試合開始早々に、左サイドからドリブルで進入した荻原拓也がペナルティエリア中央から右足で枠内にシュートを放ちましたが、田代琉我にセーブされる。次は、ペナルティエリア手前から金子拓郎が出したパスに反応したマテウス・サヴィオがペナルティエリア中央から右足でゴール右に決める。
 こうして攻撃の機会を挙げてみると、新潟は0-1で敗れてはいますが、まったく手も足も出ないという試合ではないわけですよ。鹿島戦はどうだったんですか?

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