宮崎市観光協会の川越氏「何と言っても、宮崎は春季キャンプのメッカ」 今年のみやざきフェニックス・リーグは10月30日に幕…
宮崎市観光協会の川越氏「何と言っても、宮崎は春季キャンプのメッカ」
今年のみやざきフェニックス・リーグは10月30日に幕を閉じた。2度の台風などで雨に祟られたが、約3週間に及ぶスケジュールを無事に終了。フェニックス・リーグの事務局として、地元でリーグ運営を支えた宮崎市観光協会の川越利満氏に話を聞いた。
――宮崎で教育リーグを始めた経緯は?
「みやざきフェニックス・リーグは、NPBさんと宮崎市、日南市、日向市など地元自治体や観光協会からなる『みやざきフェニックス・リーグ支援実行委員会』が共催しています。私たちは、同時に事務局として情報の取りまとめをしています。もう14年になりました。
元は、イースタン・リーグさんだけでスタートしました。イースタン・リーグさんは、それまでオフになると首都圏でコスモス・リーグという教育リーグをやっていました。教育リーグは試合だけでなく、その後しっかりと練習をしたいのですが、例えばジャイアンツさんで言えば、浦和で試合をして、その後に川崎の本拠地で練習をしようとしても、渋滞に引っかかって時間を無駄にするようなことがしばしばあった。
そこで『宮崎で教育リーグができないだろうか』というお話があって、実現したんです。宮崎の方がもちろん温暖ですし、選手を鍛えるには最適ではないかと思います」
――16チームが集結するのは、他にはないスケールです。
「何と言っても、宮崎は春季キャンプのメッカでもあるし、使える球場が県内にたくさんある。それが大きいのではないでしょうか。
2004年当初はイースタン・リーグさんだけでしたが、2005年から高知で黒潮リーグをやっていたウエスタン・リーグさんも参加して12球団で開催するようになりました。初めは2、3クールでしたが、少しずつ期間も伸びていきました。
その後、2007年から独立リーグの四国アイランドリーグplusさんが選抜チームを組んで参加し、さらにNPBを通じてKBO(韓国プロ野球)の球団からも参加希望がありました。
今年はNPBの12球団に、四国アイランドリーグplusの選抜チーム、そしてKBOから3チームが参加しています。KBOでは、参加したいという球団がもっとあるようですが、開催できる球場の数の問題や、偶数チームの参加にしないと試合のないチームができてしまう。そういう調整もしながら現状16球団での開催となっています」
「次代のプロ野球界を担う若手選手たちを、いち早く見つける楽しみがある」
――受け入れる側としてのご苦労は?
「一番大変なのは、練習や試合運営補助などのアルバイトさんの募集ですね。最大で県内8球場で試合があります。平日開催も1球場あたり11人、最大で1日80人を超えるアルバイトさんを集めるのは大変です。グランド整備はそれぞれの球場のグランドキーパーさんにお任せしますが、今年のように雨が多いと整備も大変です。
フェニックス・リーグはすべて入場無料です。球場数も多いですし、有料にするとスタッフの増員等も必要になり、採算が難しい。それでも、経済効果は大きいです。16球団300人以上の方が宮崎に3週間も宿泊されます。ホテル代、飲食代も大きいですし、ランドリー代などいろんな出費もされます。この時期、宮崎は観光シーズンですが、それに加えて県下市町村に大きな収益をもたらしています。
観戦客は県内や九州近県から来られるファンが多いですが、昨年から全日空さんに『ANAの旅作』という飛行機を利用した旅行プランを作っていただきました。こういう形で、少しずつ全国に広がっています」
――フェニックス・リーグの魅力を教えてください。
「何と言っても、次代のプロ野球界を担う若手選手たちを、いち早く見つける楽しみがありますね。各球団の主力選手、侍ジャパンのメンバーのほとんどは、フェニックス・リーグの経験を経て成長していったのではないでしょうか。
また、CSや日本シリーズを控えて、大物選手が実戦感覚を取り戻すために出場することもよくあります。今年も、CSファーストステージを控えた阪神の能見篤史投手が投げました。フェニックス・リーグは、そういう有名選手がプレーすることも珍しくありません。ただ出場するかどうかは当日まで分からないので、宣伝することができないのは残念ですが。
春季キャンプは、最近沖縄で行う球団が増えて、宮崎は少し分が悪いですが、秋の教育リーグは宮崎です。秋季・春季のキャンプ地としてはもちろん、フェニックス・リーグも含めたプロ野球の受け入れ体制を、これからもどんどん充実させていきたいですね」(広尾晃 / Koh Hiroo)